ラベル TTC015B の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル TTC015B の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年2月14日金曜日

C級電力増幅プッシュプル 入力電力と出力電力

 広帯域C級プッシュプル定数決定

入力電力を決めるため入力電力と出力電力の関係をみてみた

電源は12Vで使用した回路は次の通り(入力部にインピーダンス整合のため3dbのPad)


測定用信号源としてTinySAを使用した。が・・・素のままではー7dbmまでしか出力できないので、市販の広帯域アンプをいれた。これにより10dbmまでは任意の出力が得られるようにできた。

使用したアンプは次のもの


結果のグラフである


結果はー1dbm入力までは増加がみられたがそれ以降は頭打ちになっている。
この結果はLTSPICEシミュレーションでみた0dbm以上の入力でクリッピングが始まるという励振段の出力結果と矛盾しない。

-1dbm,199mv(*√2/2) 入力

3dbm,315mv(*√2/2)入力

電源電圧を上げればもう少し出力はとれそうではあるが、12Vでの運用とする

この結果より、Si5351からの出力は2MA(0dbm)とすることにした。





ユニットとしてユニバーサル基板に組んだ。気持ちの問題かもしれないが安定度を高めるためにGNDに0.55mm線を使いかつ銅箔テープにてグランドを広くとることとした。
TTC015Bの放熱はケース直留とする予定なのでヒートシンクは仮付けである。

2025年2月8日土曜日

TTC015BによるC級電力増幅プッシュプル 広帯域版

 TTC015B C級PP 電力アンプ

広帯域アンプにできれば、周波数を変えた時コイルを交換せずとも対応できる。
今回は保証認定で7MHzと10MHzを通したい目論見もある。
ということでハムバンドコイルを使わずアンプする実験をしてみた。


ハムバンドコイルの代わりに使ったのはFB801-43(AL1350)トロイダルである。
ここの巻比を決めるために、回路のインピーダンスを算出した。

励振増幅出力インピーダンス
  • 2SC1815Y出力抵抗はIc20mAより545Ω
  • FB801インピーダンスを出力抵抗の10倍、6kΩとすると
  • 出力インピーダンスは並列545//6000で545Ω
TTC015B入力インピーダンス
  • 出力時のIc730mAの上半分で365mA
  • hFE = 150
  • から入力抵抗は10.7Ωと計算される
  • Rb7.5Ωが直列に入っているので入力インピーダンスは直列10.7+7.5で18.2Ω
これよりFB801の巻数を求めると
  • 励振側の巻数は出力抵抗の10倍程度にするので6kΩで11turn
  • TTC015B側は18.2Ωなので励振出力545Ωで巻數比は√(545/18.2)=5.5
  • 11/5.5=2.0より11t:2t
  • プッシュプルなので11t:2t,2t(2x2のbifilar)としそれぞれの入力とした。

12VにてIc730mA程度35.81dBm 3.8W程度の出力が得られた。


プッシュプルなので偶数時の高調波は抑制されている。

2025年2月6日木曜日

TTC015BによるC級電力増幅 プッシュプル

 TTC015BによるC級プッシュプル


作例を探してみたがあまり参考にできるものはなかった

これらの回路を自分のわかる範囲で適当に切り貼りして検討したものが次の回路

※記事作成後安定マージンをとるためTTC015Bのベース抵抗4.7Ωを追加
 出力は3.5~3.9W程度になった。


いろいろ試した後の定数。12Vで4.2Wの出力があるので、ちゃんと合成されているようだ。


さてここから検算といきたいところだが・・・・・

C級プッシュプルでの入出力インピーダンスの考え方を教示しているサイトをみつけられず。。。なので、まったくの手探り状態。

とりあえず片側で考えることにした。

出力トランスはBN72のメガネコアを使った。メガネコアだとセンタータップがとりやすいという理由だけだが・・・・。

8tCenterTAP:8tとした。※コアのALは320程度だったので43材と近い。

シングルと同じように計算すると
P=4W,VCC=12V
Vce(sat)=0.4とすると
(12-0.4)^2/2x4=16.82Ω

ここで出力トランスのインピーダンスだが、C級なので半分づつしか使われないので、センタータップと2次側との巻線比で1対2となり出力側は4倍の67.28Ωとなると考えた。

はたしてあっているのだろうか?
ん~わからない('◇')ゞ

入力インピーダンスについてはもっとわからない。
TR=TTC015B
hFE=150
Ic=285mA
(C級PPでは2つ同時にONすることはないので570mA/2とした)

ここから計算すると(A級と同じ要領で計算)←すでに間違ってる?

hie = hFE × { RE + ( 26Ω ÷ IC ) }

hie=13.7Ω

入力部ではFB801 bifilarの中点からとっているので、全体では巻線比(2)よりインピーダンスは2^2=4となり13.7×4=54.6Ωとなる。

励起段はシングルと同じ定数なので、インピーダンスは630Ω、54.6Ωに整合させるには巻数比3.4になる。出力コイルをいろいろ変えてみたところFCZと同じ18:6(巻比3)のものが一番出力がとれたことからインピーダンスが整合しているとすると、計算結果と同じであったので考え方は合っているような気がしてきた。



TTC015BによるC級電力増幅

 C級電力増幅

送信機の電力増幅を考える場合、CWではリニアな増幅をしなくてもよいので、C級やE級増幅回路が使える。
先の送信機ではC級増幅を使いDDSのAD9850(200Ω10dBmOUT)で約2.5W(13.8V)を得ていた。10dBm→34dBmで24dBの電力利得であった。

今回も同じ回路を使って実験してみた。
信号源はSi5351であるので50Ω10dBmの出力とデータシートにあるが8MA出力設定でも途中にLPF(7素子損失ー1dB)やその他の損失があり実計測では7dBm(50Ω)であった。

実験回路
段間のコイルは20t:2tの自作コイルである。
出力コイルはT44-26(AL37)の黄色コアを沢山持っていたので7MHzで500Ω程度のインピーダンスになるように巻くと18tであった。+4turnはインピーダンス整合用である。
この回路で12V電源にて約2.1Wの出力を得た。



この時のTTC015Bのコレクタ電流は337mAであった。

さてTTC015Bの出力抵抗だが、電力Pをざっくりと2Wとして、以下のパラメータで計算すると・・・・

Vce(sat)=0.5
VCC=12V
(12-0.5)^2/2x2=33.5Ω

となる。これを50Ωに整合させるには
18turnの出力コイルに
(x/18)^2=50/33よりx=22
22turnなので4turnを追加しインピーダンスを持ち上げ整合させた。


次に段間のRFコイルの仕様だが、既製品のFCZコイルを使うのが一般的だと思うのだが、FCZコイルは手に入らないので、自分で巻いたコイルを使うことになる。
そうすると、巻線比は自分で決めることになる。まぁ、これが沼なわけだが・・・・

どうせ作るなら励起段の1815の出力インピーダンスと終段のTTC015Bの入力インピーダンスを求めて合うようにしたいところだ。

というわけで計算してみた。(あっているかどうかはわからない)
VCC(V)12
Ic(mA)18
Z(kΩ)0.66
RL(kΩ)11.4
RL//Z(Ω)630
RFコイルのQを50として求めた同調周波数でのR値を負荷抵抗RLとし、出力インピーダンスは並列として計算したところ、630Ωとなった。

終段の入力インピーダンスは
Ic(mA)337
hFE150
RE(Ω)0
Z(Ω)11.6 
∴コイルのインピーダンス比630:11.6から巻線比を算出すると、、、
7.4であり、巻数は18turn:2.4turnとなった。
半端な値なので、2turnか3turnとなるが、どちらを使っても同じような結果だった。
試しに、他の巻数でも試してみたが(FCZと同じ18:6など)あきらかに出力が低下したのでここまでの計算でもあながち間違いではなさそうだ。

今回タイトルにもしたが、このTTC015Bという素子、ひとつ20円のオーディオで使われるような石であるが、なかなかどうして使いやすいと感じている。

安定しているのである。ブレッドボードでの劣悪な環境でも、きちんと結果を出してくれている。

2SC2078や1971といった往年の石よりも、TTC015Bのほうが良い。


写真は、当初広帯域にしようと思い、インピーダンス変換をトロイダルで試しているところであるが、うまくいかなかった。今思えば、段間のインピーダンス変換にFB801のbifilarでやっていたのであきらかに不整合だったのだと思う。