2020年10月18日日曜日

小出力デジタルアンプ(PAM8403)の音が意外に良かったので②

 今のままでは、搬送波がスピーカーに垂れ流しじょうたいなので、適当なLowPassフィルターをいれてみることにしました。

PAM8403はもともと小型化のためのフィルターレスの設計らしく、データシートにはどうしても基板が大きくなる出力フィルター回路は載ってなくフェライトビーズを使ったEMI防止の回路図のみでした。

なので、ほかのデジタルアンプのものを参考にすることにします。
なかでも、カットオフ周波数が低めのものを探してみました。

すると、秋月でキットとして売っているTPA2006D1のものがカットオフ27kHzで良さげです。

これをつかうことにしました。すると33μHのインダクタ、0.47μFのキャパシタが必要になります。キャパシタはフィルムで1μFのがあるので直列にして使うことにします。

インダクタは。。。。実はAmazonでトロイダルコアを無駄に買っていました。。
無駄というのは、なんだかわからないけれども安かった。。。
まったく、素性もなにも考えずに大きさと値段だけで買っておいたやつ。。
買ってからコアについていろいろ調べて、どうやらAL値というものがあってそれで巻き数でインダクタ容量が決められるらしい。
μH=巻き数x巻き数xAL/1000=30x30x37/1000=33.3μH
このコアに30回巻くと約33μHになります。
0.55mmのエナメル線を30回・・・巻けませんでした。頑張っても28回でした。まぁ誤差範囲ということで。。。計ってみると0.03mH確かに30μH付近の値になっています。
面白いですね、意図したとおりの値になっています。←計算して作ったのであたりまえといえばそうですが。。。。
ブレッドボードにPAM8403基板を挿してと出力フィルタを構成します。
電源はとりあえず、ブレッドボード用の降圧アダプタを使用し9Vから5Vに降圧してPAM8403に供給しています。
ブレッドボードだと、部品の差し替えが楽ですね。
だけど、いったん上手くいくとその後の部品交換が億劫になったりします。

この状態で、試しに聴いてみました。
定位の良さはそのままで、音の粗さが少なくなってように感じます。
ただし、ボリュームを上げていくと、早めにクリップしてしまう感じがあります。
どうやら電源が頭打ちになる感じ??

あとは、電源を入れた時のポップノイズでしょうか。
かなり大きな音でプチッっていいます。

ポップノイズの対策を考えたいと思いました。


2021/1/2 追記
完成後に出力フィルターの周波数特性を知るために特性を測ってみました。
すると

20kHzの手前から減衰が始まり-3dbラインは16kHzというものでした。
こんな周波数特性なのに音は、とてもよく感じていたのもですから自分の耳のダメさがよくわかりました。音は悪くないのでこのままでも良かったのですが、知ってしまった以上何とかしなくてはいられません。

おそらく、自作のインダクタが原因だろうと、手持ちの27μHのパワーインダクタに交換することにしました。
外した、インダクタをもう一度測ってみると、0.04mHあります。ということは40~50μHの間ということになります。やはり大きすぎたようです。

ちなみに、28回巻きでしたので24回巻きにして測ると0.02mHでした。
次に使うときはこれで使いましょう。

さて・・・27μHのパワーインダクタに交換した後の
周波数特性を測ってみると・・・・
-3dbラインは27kHz程度のようです。これはほぼ設計値の特性です。

micro-cap12でのシミュレーション

以上、やっぱり計測できるところはしておいたほうが良いということですね。
ここのところ、ファンクションジェネレーターや交流電圧計を作ったりして遊んでいたので、判明したことでした。
測定器は必要ですねやっぱり・・・・


小出力デジタルアンプ(PAM8403)の音が意外に良かったので①

ちょっといろいろいじってみました。

以前ヘッドフォンアンプにつかいましたが、その時はホワイトノイズが多くどうやらIC自体によるノイズのようで、高能率イヤホンに使うと、なかなかきびしいものがありました。

今回は正規の使い方で、ちゃんとした(笑)スピーカーに繋いでみることにしました。使ったのは、以前Amazonで120円のものを2つ買ったうちの残りの1つです。


スピーカーにつなぐ前に、ちょっとした小細工をします。

  1. 音量はDAC側で制御するので、この基盤のスイッチ付きボリュームは撤去
  2. お手軽にブレッドボードを使って実験するつもりなので細ピンヘッダを取り付け
  3. 入力カップリングコンデンサを4.7μFのチップセラミックコンデンサにしました。
    使ったのはB特性の50V品です。シリーズに入っている入力抵抗10kΩと合わせてカットオフは約3.4Hzになります。
    まぁこのくらいにしておけばf特はだいじょうぶかな
    先日の件以来セラミックコンデンサに対する偏見が少なくなりました。まぁだめな品種はダメなのですが、うまく選んで使えば、大丈夫なようです。

    カップリングコンデンサはもとからあったところは1608サイズ?なのでランドが小さく2012のものをとりつけするにはちょっと。。なので、そこははんだブリッジして別の所、ボリュームのあった跡地に取り付けました。スイッチの所はジャンパしました。

    なお、入力カップリングコンデンサの容量は、電源入れたあとの安定までの時間にかかわるようです。容量が増えるとその副作用で、安定までに時間がかかります。
    (4.7μFだと3秒ほどかかるので、あとで対策を考えなければ。。。。。)
    つまりポップ音に関係するということらしいです。なので、f特を欲張らなくて済む小さいスピーカーに繋ぐときは逆に減らしたほうがポップ音対策に有利になるということです。
  4. VRefのコンデンサに4.7μFを抱かせて増量(多分1+4.7μF)
    アナログ出力用のレファレンス・バイパスコンデンサです。ランドがちいさいのではがしてつけるのではなく抱かせる形にしました。


まず、この状態で、動作確認しました。
D級アンプで出力Lowpassフィルタをつけていないので搬送波がそのままスピーカー端子に出ます。電源電圧が5VでBTLなのでP-Pは約10Vです。搬送周波数は457kHzになっています。あれ、搬送周波数はデータシート上は260kHzだよね。
あ、そっか上下併せた時間での周波数表示だと倍になる。上側だけでみると半分の225kHzくらいか。。

いずれにしろ、こんなのを直接スピーカーには入れたくないよねぇ(-_-;)

まあとりあえずスピーカーにつないで音を聴いてみたのです。

そしたら、、意外と良い音がするのです。

クリアで、定位も良く。とても一個120円のものとは思えません。まぁ3Wあればニアフィールドで使う分には音量も全然余裕ですし。。。。
前にケース入れしたYDA138のデジタルアンプボードよりも良い感じです。特に定位。YDA138ではなにか音像が横にふやける感じがありましたが、このPAM8403ではしゅっとスリムなままです。

手元に余っていたので、とりあえず繋いではみただけで、実は期待はしていなかったのですが、結構良いんではないですか。遊べる材料が増えました。おもちゃを手に入れた子供みたいです(笑)

このICはフィルタレスで良いみたいなのですが、やっぱり気になるので次に出力フィルターを検討してみます。手持ちのフェライトコアを使ってはじめてのインダクタ作成をしてみることに・・・



2020年10月4日日曜日

PiZero ES9028q2mDAC①

 これは、趣味としてオーディオ自作を始めてから最初に購入した中華DACボードでした。

そして、これもその時に入手したRaspberryPi

そして、これもその時に用意したもの

これらを足し算して、ネットワークプレーヤーを作りました。
このころは、あ、今もですけど、ほとんど何もわからない状態ではじめたので今見てみると突っ込みどころ満載。

音楽信号を出力するのにオペアンプを使ったヘッドフォンアンプでプラスマイナス電源を使いますが、この47アンプのGNDとRaspberryPi,ES9028q2mDACのGND電位が異なることを知らずにGND同士をつないでその後大慌てすることに。。。。

そして、電源の-ポイント(DACとRaspberryPiのGND)からさらに電源を反転させ負電源をつくればGNDを共通化できることに気づき、そしてチャージポンプ方式の負電圧をさくせいしました。

参考にしたのがこんな回路。
そう、555を使って発振させそれをコンデンサにため、放電時に流れる電流を使って逆電圧を作成する方法。こんな方法があるんだって感激したものでした。

ただし、この定数のままだと発振周波数が可聴域にまるかぶりなので、定数を変えて50kHzあたりで発振するようにしました。

負電圧を作ることを覚え(笑)、なんとか。。。音も出ました。

しかし、ここからも大変でした。

一番苦労したのが、無音時のノイズでした。

それらを、ネットで調べて対策して、かなりあれこれ試して。。。。

一点アースという概念を学びました。。。
アースの取り回しを変更したところ、ノイズがほとんどなくなりました。
これで一応は使用に耐えうるものができました。
感動してしばらくこればっかり使ってました。






さて、そこから月日が経ち。。。
もう少しいじってみたくなりました。

ES9038q2mのボードでは正負電源に変更できたので、このボードでもいけるかなと思っていたのですが、どうやらなかなか難しいようです。
なので、まずはアナログオペアンプ周りのセラミックコンデンサをスチロールコンデンサに変更することにしました。

使用したコンデンサは、
100pF→100pFスチロールコンデンサ
390pF→330pFスチロールコンデンサ
これは、ES9038q2m緑基板のデータですが、当初390pFから470pFにしたところ、、、、
高域の肩特性が盛り上がってしまった(白線)ので330pF(緑線)としてみました。

カップリングの電解コンデンサは、最近使い始めた
47μFのB特性チップセラミックコンデンサにしてみました。

あとは、電源です。プラスマイナス電源にできなかったので、単電源方式のTL431を使った安定化電源としてみました。
定電流の部分は、なるべく出力電圧を稼ぎたかったので、バイポーラトランジスタを使った定電流方式としました。約10mAの定電流としました。
※この時は電源電圧を12Vとしていましたが、後段のヘッドフォンアンプの絡みで後に15Vにしました。15VだったらJFET一本の定電流でもよかったなぁ(-_-;)

写真はRaspberryPi Zero用の5VとES9028q2m用の安定化電源で12Vから約10V(9.87V)の安定化電圧を作っています。
DACの接続端子に1Ωを置いて両端の電圧を測定しDACの消費電流を測ってみました。
約103mAというところでしょうか。

こちらは47Amp側の消費電流。
43mA程度の消費電流です。ということは、負電圧側(555側)はこの半分なので22mA程度になります。うーん。。。結構負荷が重いですね。このくらいの消費電流があると負電圧作成回路も考え直さなければいけないかもしれませんね。







BFO回路の実験

BFO回路の実験 アマチュア無線バントで使うのに必要なもの 特にCWしか出ない自分にとってはBFOは欠かせないものです。 さて、先に使ったこのBFO回路で発振させると周波数は456kHz程度となりました。 AMラジオとして作ったときの中間周波数は455kHzで動かしているので、約...