C級電力増幅
送信機の電力増幅を考える場合、CWではリニアな増幅をしなくてもよいので、C級やE級増幅回路が使える。
先の送信機ではC級増幅を使いDDSのAD9850(200Ω10dBmOUT)で約2.5W(13.8V)を得ていた。10dBm→34dBmで24dBの電力利得であった。
今回も同じ回路を使って実験してみた。
信号源はSi5351であるので50Ω10dBmの出力とデータシートにあるが8MA出力設定でも途中にLPF(7素子損失ー1dB)やその他の損失があり実計測では7dBm(50Ω)であった。
実験回路
出力コイルはT44-26(AL37)の黄色コアを沢山持っていたので7MHzで500Ω程度のインピーダンスになるように巻くと18tであった。+4turnはインピーダンス整合用である。
この回路で12V電源にて約2.1Wの出力を得た。
この時のTTC015Bのコレクタ電流は337mAであった。
さてTTC015Bの出力抵抗だが、電力Pをざっくりと2Wとして、以下のパラメータで計算すると・・・・
Vce(sat)=0.5VCC=12V(12-0.5)^2/2x2=33.5Ω
となる。これを50Ωに整合させるには
18turnの出力コイルに
(x/18)^2=50/33よりx=22
22turnなので4turnを追加しインピーダンスを持ち上げ整合させた。
次に段間のRFコイルの仕様だが、既製品のFCZコイルを使うのが一般的だと思うのだが、FCZコイルは手に入らないので、自分で巻いたコイルを使うことになる。
そうすると、巻線比は自分で決めることになる。まぁ、これが沼なわけだが・・・・
どうせ作るなら励起段の1815の出力インピーダンスと終段のTTC015Bの入力インピーダンスを求めて合うようにしたいところだ。
というわけで計算してみた。(あっているかどうかはわからない)
VCC(V) 12 Ic(mA) 18 Z(kΩ) 0.66 RL(kΩ) 11.4 RL//Z(Ω) 630
RFコイルのQを50として求めた同調周波数でのR値を負荷抵抗RLとし、出力インピーダンスは並列として計算したところ、630Ωとなった。
終段の入力インピーダンスは
Ic(mA) 337 hFE 150 RE(Ω) 0 Z(Ω) 11.6
∴コイルのインピーダンス比630:11.6から巻線比を算出すると、、、
7.4であり、巻数は18turn:2.4turnとなった。
半端な値なので、2turnか3turnとなるが、どちらを使っても同じような結果だった。
試しに、他の巻数でも試してみたが(FCZと同じ18:6など)あきらかに出力が低下したのでここまでの計算でもあながち間違いではなさそうだ。
今回タイトルにもしたが、このTTC015Bという素子、ひとつ20円のオーディオで使われるような石であるが、なかなかどうして使いやすいと感じている。
安定しているのである。ブレッドボードでの劣悪な環境でも、きちんと結果を出してくれている。
2SC2078や1971といった往年の石よりも、TTC015Bのほうが良い。
写真は、当初広帯域にしようと思い、インピーダンス変換をトロイダルで試しているところであるが、うまくいかなかった。今思えば、段間のインピーダンス変換にFB801のbifilarでやっていたのであきらかに不整合だったのだと思う。
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