2025年1月6日月曜日

TA7358でAGCの実験

 

定番のICであるが、これで作るとAGCがない。

のが普通。

強い局が爆音となる。
ヘッドフォンでの交信だと耳が逝ってしまいそうになるので困る。
ネットを徘徊していたら、参考になりそうなページがいくつか見つかった。
どうやら2番ピンのバイアスを崩して(グランドに落として)利得を下げることができるようだ。
最初はダイオードで作った負の電圧を与えてみた。これは、上手くいかない。
そこで、負の電圧を作るではなく、正の電圧でトランジスタでスイッチして、2番ピンをグランドに落とし利得をコントロールしてみた。

一応、AGCになってはいたが、フィーリングか最悪。最初の一音は爆音で歪、その後はおとなしくなる感じ。
時定数のせいと思い、電圧制御であるMOSFET使ってみたが、やはりおんなじように歪んだあと静かになる。

諦めかけた時。検波段じゃなく高周波増幅段を持つ周波数変換のTA7358よ2ピンにしてみた。
コンデンサの時定数のため最初だけプッと大きな音でその後Gainが下がるのは同じだが、どうやらこちらのほうがフィーリングはいい。
追い込めば使えそうな感触ではある。





CWなのでAGC電圧はオーディオ出力から整流して得る

フィードバックは周波数変換段TA7358の2ピンに


その時のANT入力とTP1電圧の関係

上記の定数でS9の73dBmあたりからAGCが利くようにAGCVRを調整しデータどりをした。
一応それなりにAGCになっているようだ。しかし、やはり入力が-58dBmを超えたあたり、TP1の電圧が1.9Vを超えたあたりから音が濁りはじめる。音量は抑えられるので初段過入力あるいはクリッピングダイオードの影響と思う。

さてここでまた悩ましい事象が。
そう、AGCを構成するとSメータが使えない。
爆音を我慢してSメータを使うか、耳にやさしくAGCにするか。。。
移動運用としてヘッドフォンを使うならAGCは必要。。。

2025年1月1日水曜日

ラダー型クリスタルフィルタ

ラダー型水晶フィルタは安いが面倒

10.7MHzのクリスタルで4Poleラダーフィルタを構成した

このラダー型には次に示すシリアル型と他の作例によくあるパラレル型がある

この二つの違いは、一番はこれ
  • 入出力インピーダンス
    • パラレル=2xシリアル
インピーダンスマッチングの関係でどちらかを選ぶとよい。

で、値の決め方なのだが・・・・

バイブルとなっているマニュアル本では。。。


これに代入して値を確認してみる。


帯域を900Hzとしたとき、Cは495pF,インピーダンスは32Ω(パラレル),64Ω(シリアル)となった。実際はさきに作っていてCを470pFとした。

nanoVNA S21Gainにて確認すると



帯域は約800Hz,インピーダンスは33Ωとなった
グラフも一応ちゃんとしているようだ。しかし、これは適当に水晶を選んだのがたまたま良かっただけで、この後とても苦労することになる(-_-;)

これなら簡単と次に5poleのラダー型フィルタを構成してみた

水晶の選別が必要。水晶の発振周波数を確認して近いものを使うといいらしいのだが、発振器をつくり周波数カウンタで10Hz単位で読めるものを用意して・・・・
かなり面倒だ。そうだnanoVNAを使えばいいんじゃ!!

S11Phaseを計測して位相が変わるところが近いものを選んだ。


赤字のものである。誤差は100Hz程度になっている。(黄色のものは先の4poleで使った水晶。。。ばらばらだ💦)


散々な結果である。がっかりだ。損失が25dbもあったんじゃとても使えない。

いろいろ試行錯誤して、比較的選別しやすい方法があった。水晶個別にS21Gainを調べPeak周波数順にならべ通過損失が少ないものを使っていく方法。

S21GainでPeakをとりその時のGainとCenterを記録


ごちゃごちゃしているが、4poleのものと5poleのものを実験し色分けしてある。

3の特性である(接続はパラレル)

なんだかあまり芳しくないが、先ほどよりはまし・・・・でもつかえないな


損失は小さくなったが、やはり大きすぎる。

だがわかったことも多くあった。
  • 水晶個別にS21Gainを測定して損失の少ない個体で周波数が近いものを選ぶ
  • 簡単にラダーフィルタを構成できるのは4poleまで
  • ひとつの水晶あたり約3dbの減衰
  • シリアル接続とパラレル接続でのインピーダンスはシリアル≒パラレル/2


2025/1/7追記

7.2MHzの水晶を使って同じようにやってみた結果
実はこれ5poleの結果

簡単に!?作れてしまった。ではないか・・・('◇')ゞ
その原因は。。。

手持ちの水晶のS21GainのPeak周波数結果である
選別は40Hz/stepでの測定なので40Hzごとに分類されるわけだが・・・・
特性が良く揃っているのがわかる。
20個の水晶から5つの同じ周波数の組合せが2組とれた。
しかも損失も少ない。






ブレッドボードとプロトタイプ

 実験用に

ブレッドボードは、手軽に組めて試行錯誤しやすいのでよい。

のだが・・・・

完成度を高めようとしてしまうと、ハマる。。。。

実際7MHzや10MHzの受信機の回路の検証をしたりすると、必ず意図しない発振に見舞われる。

そこから、ひとつ進めて蛇の目基板に組もうと思うのだが、これが、小型化を優先してしまうので、一度作ると変更が面倒になる。

蛇の目基板を使ったSi5351VFO基板

この中間に位置する実験基板がランド法ということになるのだろうか・・・・・

QCXminiのディスプレイ部をブレボで

こういった使い方には、ブレボは最適

だが・・・・ 不安定さは拭えない。

ランド法で作ると

455kHzBFO

ブロックごとに作ってそれを組み合わせる形になる。

アースはベタアースなので安定した動作が期待できる。

ただし・・・・部品を付け替えるときに他の部品も一緒に外れてしまう。

付け替えを頻繁にすると芋半田になりやすい・・・・。また密集度が低いので大きくなりがち。

いま、TA7358を使った昔の定番の回路をブレボで遊んでいるのだが・・・・。だいたい回路と定数が決まってきたので、次のステップに進もうと思っているのだが・・・・

ブロックごとに作るランド法にするか、受信機ブロックとして蛇の目基板にまとめるか悩み中。

自作好きの、楽しい悩みとジレンマである。



TA7358を使ったCW受信部の実験

 ブレッドボードで試し組み






ブレッドボードに組んで実験

変更点2024/12/31
  1. 検波段AF出力(6pinに0.01uFを追加)
    • これがないと局発のもれでメーターが振れる
  2. 検波段
    • 47pFのコンデンサにて3pin→4pinで混合入力
    • 6pinの負荷抵抗を680Ωに。これが最適値だった
  3. Sメータ回路
    • S9でもメータの振れがいまいちなので(10MHzでは元気に振れていた)コレクタ電流を上げて増幅度を増す為に470kを68kまで小さくした。
  4. LM386の1,8pinに10μFを追加し利得を上げた。
    →6の対策後感度があがりいらなくなった(固定20倍)
  5. トリマコンデンサを30pFのみに変更。
    • 信号に対し800Hzほど高い周波数で発振。
  6. 検波部のトリマコンデンサのアース接続を5pin直接にした。
わからないこと
  • Sメータ
    • トーンを高くすると振れがよくなる。
    • AFボリュームを上げると振れが悪くなる。
      →386への入力を3番から2番に変更したら逆の動作になった。
      つまり、まわりこみがある。

  • 他の作例回路では6pinAF出力部に0.01uFがない。回り込みとか大丈夫か?
  • 全体のGainが足りているか?TinySAで聞こえる限界はー123dbm
    • ANT入力をtinySAで-80dbm(7012kHz)入力
    • 変換部(7Mhz→10.7MHz)約26dBの利得
      • -80dbm入力で変換後出力-54dbm
    • クリスタルフィルター 約10dbmの損失
    • 検波部 
      • 変換部と同じと考えると約26db
    • 低周波増幅部 電圧利得20倍→電力利得400倍


40dB ATT

 40dBのアッテネッター

受信機の調整をしていると、減衰が大きいATTが欲しくなる。
Aliで手に入れたATTを使っていたが、もっと小型で手軽なものがいい。

ということなので、2.2kと0.3kの直列と51Ωのチップ抵抗を使うことにする。




小さいっす。

nanoVNAにて特性を確認

通常使うHF帯では全く問題なさそう。