2019年12月28日土曜日

中華ES9038q2mボード両電源のための負電源の作製


ESSのプロ用高級DACチップ9038のお安いバージョンが載った中華基板を手に入れました。



使っているチップは9038q2mといわれるチップで基板自体の値段はアマゾンで5000円程度です。aliexpressとかで買うともっと安く手に入れられます。
さて、このボード、I2S接続でUSBのDDC、XMOSが載ったものを入手して、、こちらは4000円程度、ちょちょいと接続して聴いてみました。




なんと、これが、ビックリです。本当にクリアな音質で、PCM2704チップのキットで作った自作USBDACの音質を遙かに超えてます。既製品のSoundBlasterPROの音質さえも超えているようです。とにかくボーカルは生々しく、楽器はクリアで、まさにそこで演奏しているような感じがします。9038チップを使ったメーカー製DACは余裕で10万円以上はするものと思われるので、その音がなんと1万円以下で聴けるというのはすばらしいことだと思います。

ただし、このボード、お手軽に単電源で使えるのは良いのですが、電源を入れたときに出力に一時的に7V近くの電圧が出ます。おそらく出力のDCコンデンサが充電されるまでの間の過度的な電圧だと思います。パワーアンプのボリュームを絞っていないとスピーカーが壊れそうなボツっていうポップ音がします。電源を入れる順番をDAC→アンプとすれば良いのでしょうが、どうにも精神衛生上よくないです。

なにか手はないものか。。。。

ありました。±15Vで駆動させられるという情報を得ました。負電源はアナログでのオペアンプのためのもののようです。
ということは、電源入り切り時のポップ音も抑制できるかもしれません。ということで、電源を用意することを考え始めました。

すでに、ケースに組み込んで使っているので、この大きさのままでなんとかしたい。

考想としては
1.±15Vの両電源、仮想GNDを使うと倍の30Vのアダプタが必要
2.トランスを内蔵するスペースがないので、電源アダプタ側で両電圧を作製してそれをDACに入力するようにしないといけない。
3.そうだ、負電源を作るチャージポンプ方式にすればいいんでは???

過去にタイマIC555を使って負電源を作ったことがあったので、同じようにしたら良いと思いました。

そういえば専用のICが部品箱にあったような。。

ありました。TJ7660というDIP8ピンのもの。早速調べてみると。。。。えっ10Vまでしかつかえない? ということでこれでは無理ということがわかりました。秋月でいろいろ探しているとNJW4191Mという便利そうなICがありました。ピッチが1.67mmなので変換基板を介さないといけません。

とりあえず2個注文してみました。

これを使えば、15Vのスイッチング電源アダプタから±15Vの両電圧を簡単に作製できそうです。どこかにリファレンスとなる回路はないかと、ネットをいろいろ探してみました。
なかなかヒットしません。

意外と使っている人は少ないようです。

唯一参考になりそうなのはリファレンスだけでした。
http://akizukidenshi.com/download/ds/njr/njw4191.pdf
まあ、そんなに難しい回路図ではないので困ることはなさそうですが。
一つ動作がわからなかったのが、FB端子の挙動です。
たとえば12V入力で-12Vが必要な場合。チャージポンプ式だと入力電圧より高くは設定できないはずなので間欠動作にはならない気がします。ということは出力端子に直結でも良いと思いました。逆に間欠動作が入ると本来の300kHzのスイッチングノイズの他に間欠周波数のノイズが載りそうです。こちらは比較的低い周波数になりそうなのでオーディオ的にはあまり望ましくないと思います。
よって負荷による多少の電源のアンバランスには目をつぶることにします。

実際の回路図はこんな感じになりました。

まずはブレッドボードで試してみます。

12Vを入力すると、-11.46Vの出力です。負荷には1kΩをあてています。電流は約12mA のハズです。負荷を330Ωにすると11V程度まで出力電圧が下がります。このときの電流は、約35mAくらいでしょう。まぁまぁいい感じです。

ノイズの程度をオシロスコープで観察してみました。
ノイズフィルターを通さない素の状態。

47μFのインダクタのみ(スパイクのようなひげがとれています)

22μFのコンデンサをつけた状態(ほぼ、ノイズは除去されていると思われます)

ブレッドボードではきちんと動作することが確認されました。
次は、ユニバーサル基板に半田付けしていきます。
PasSを使用して秋月のC基板と同じサイズの中華基板に実装するために作図していきます。
部品点数が少ないのであっという間にできました。

一応XHコネクタを使ってメンテナンスが楽にできるようにしました。
実装していきます。

できあがったのがこれです。早速チェックしてみます。きちんと-電圧を生成しています。ブレッドボードで特性は確認してあるのであとは組み込むだけです。気をよくして、早速組み込みます。


RCAジャックからの過度的な漏れ電圧を確認しながら電源を入れてみます。
最大で100mV程度でした。単電源の時は7V近くの電圧が出ましたので、両電源にしてうまくいっているようです。電源を切ったときはどうかな。ということで電源を切ってみます。おやこちらは4V近くでました。ちょっと残念ですね。ボツって言う音がスピーカーからします。さて、おもむろにもう一度電源を入れます。7V!?

ん、どうした。さっきのはたまたまだった?

電源ボードのインジケータLEDを確認します。光っていません。

ん?接触不良?あちこちいじってみます。点灯しません。
しかたなく外して出力電圧をテスタで確認します。
0.4V。。。。ありゃ。どうした?壊れた???

そうです。ICが壊れたみたいです。さて、原因は。。。もしかしてFBの端子に直接出力の電圧をかけていたからかな。。。データシートのTJxxxからのIC置き換えのところには5Vって書いてあるし。と思い、2.2kと18kの抵抗をFB端子につけてフィードバックをするように変更しました。ICを交換して、もう一度DACに組み込みます。
電源を入れると、RCAの漏れ電圧は先ほどと同じくらいでした。インジケータLEDは点灯してます。やれやれと言うことで電源を切って、もう一度入れてみます。インジケータが点きません。

そうです。また壊してしまいました。
あ~あ、いったいなにやってんだか。。。

電流が流れすぎてる?

実験用電源を使って、負電源側の電流を計測してみます。10mAそこそこでした。最初に計っておけよってな感じですが、電流オーバーではないようです。

もしかして、突入電流でこわれてる?
可能性はあるかもしれません。電圧降下が気になりますが100~300Ω程度の電流制限抵抗を入れるべきか??

原因を探るべくデータシートを眺めてみると、なになに「+と-の間に負荷がつながる場合は出力にSBDを入れて保護しろ」だと。。。これだ!!
もう、手持ちのICはありません。また秋月に発注です。今度は4個発注しました。届くのは後になるのでとりあえず基板に保護用のSBDを追加しました。1N5819で順電圧が0.25V程度のものなので逆電圧がかかっても大丈夫なはずです。

のはずでしたが。。。。続く。。。


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