2020年11月29日日曜日

PAM8406を使ってみる① D級・AB級切り替え

PAM8403ボードを使っていて、ネットで情報を集めていた時に見つけた

PAM8406というIC

仕様が変態なので、実験的につかってみようと思いました。

なにが変態かというとこのIC、D級とAB級の切り替えができる。しかも電源を入れたままで切り替え可能。。。

特徴をあげると

  1. 9ピンのプルアップ(D)プルダウン(AB)でD級とAB級を瞬時に切り替え
  2. 電源ON、OFF時のポップノイズの低減
  3. 2Ω負荷で5W×2の出力
  4. PAM8403とピンコンパチ(9ピンは8403でプルダウン)
ということらしいです。

PAM8403とピンコンパチということは・・・・・
基板を流用できる。。。。

前に、足上げで失敗した基板の8403を外して、8406をつけられそう
ということでやってみました。

ICはaliexpressのここから入手 5個で2ドルしません。。。

まぁ、届くまでにひと月はかかったので、それが玉に瑕なのですが・・・・

さて、まず基板からICを外します。基板は以前に足を折ってしまった基板をつかいました
ICの両側にはんだをたっぷり載せて、えいやっと外します。

そのあと、はんだ吸いとり線で除去して、アルコールできれいにします。

基板パターンは9番ピンはGNDに5番ピンはVDDに繋がっています。

なので、そこに養生テープを小さく切って張ってICの足をパターンから絶縁します。
そこに8406をはんだしてていきます。

UAEをICのピンにはんだ付けしてピンヘッダに繋げて完成です。

あとは、ブレッドボードに挿して電源をつなげ、テストするのみです。
AB級の音を聴くのがメインなので、D級のための出力フィルタはつけずに実験。

ブレッドボードで線をつなぐだけなのでとっても簡単です。
一応、オシロでD級時の搬送波を確認しました。

さっそく音出ししてみます。

D級では音がでますが音が歪んで、AB級にするとまったく音がしません。
あららら・・・・なにかやらかしてるわ

一瞬この基盤をゴミ箱へ捨てそうになりました。。。が一応テスタで導通を確認してみると。


6番ピンとVDDに導通がありません。6番ピンはアナログVDD端子です。よく見てみるとはんだが足りずにパターンと導通していないようでした。
ここをはんだし直してみると。。。。

無事に音出しができました。捨てなくてよかった(笑)

ちゃんとしたスピーカーに繋いで聴いてみました。

ちょっと聴いた感じではD級とAB級の違いはよくわかりません。ただ、ボリュームを上げるとAB級のほうが電流が流れているようです。(電源電圧のモニタから)

電源入り切りのポップ音は
  • 電源OFF時のポップ音はありません
  • 電源ON時は
    • 入力がオープンだと:皆無 聞こえません
    • 入力に機器をつなぐと:それなりにポップ音がします。ただし8403の時のようにコーンが派手に動くようなものではありません。
どうも、入力カップリングコンデンサに電荷が充電される電流がポップ音の原因になっている気がします。まぁ我慢できる程度のプチッていう音なので、このままでも実用になりそうです。

もうひとつ書いておきたいことは。
無音時のノイズが8403と比べると明らかに少ない。。。静かな部屋でスピーカーに耳を近づけても聞こえるか聞こえないかのレベルです。
これなら、もしかしたらヘッドフォンアンプにしても使えるかも・・・と思わせてくれるぐらいにノイズが少なそうです。

以上PAM8406の試用記でした。


2020年11月14日土曜日

UNIDOTS mizukiさんと金野倫仁さんのユニット

UNIDOTS 最近知って聴き始めたのですが、いいですね。お気に入りです。



mizukiさん 金野先生
のユニット。。。

先日の配信ライブリピート再生してます。
明日まで視聴可能ということで。。。

UNIDOTSを知るきっかけになったのは、sawanohiroyuki nzk というボーカルプロジェクトのなかにボーカリストmizuki名義の曲がありまして。

楽曲もそうなんですが、歌声が耳に残り、どんな人が歌っているのだろうと調べたのです。
声も好きなのですが、きれいな顔立ちで。。。

ほんと、年齢不詳な感じが良いですよねぇ(笑)

mizukiさんのプロフィールhttps://www.last.fm/ja/music/SawanoHiroyuki%5BnZk%5D:mizuki/+wiki

last.fmにありました。年齢をみてまたびっくり。。失礼(^_-)-☆

2020年11月12日木曜日

小出力デジタルアンプ(PAM8403)の音が意外に良かったので⑥

これまで主にブレッドボードで実験的に作ってきましたが、ここらで、一度ちゃんと配線してケースに収めることにしました。

電源は、12V程度の出力がある電源アダプタを使い、音量調整はDAC側でするのでボリュームなど音が劣化するものはつけないことにします。

備忘としてこれまでの回路をまとめておきます。

PasSでの実体配置図
中央に刺さるPAM8403ボードは・・・
先日、コンデンサを入れ替えした基板を使います。
右下に追加してあるヘッダはMuteピンとUAEにて接続。

基板は秋月のC基板サイズ。
丸ピンソケットに上写真のPAM8403ボードを挿します。
ボードは差し替えできるのでICを載せ替えたり遊べそうです。
アースや電力が大きそうなところの配線はホームセンターで買った太めの0.55mmの銅線使用。

ケースの加工ですが・・・・
いつものタカチのケースを使います。パネル面がプラスチックなので加工がとっても楽です。KC4-10-13BBで前に作ったDACと同じ大きさです。
パネルの加工はパワーポイントで作った型紙を貼って穴あけをします。
今回は前面パネルは電源スイッチのみです。

電源スイッチは、部品箱をみるとアマゾンでみつけて購入したスイッチに12Vで点灯するLEDが付いたものがありました。これまで使ったことがなかったのですが、使ってみることにしました。ただし、端子のどこにLEDがつながっているかなどを書いてある説明書がついていないものでした。


みてみると評価欄に使った人の記載がありました。助かりました。

どうやら、LEDのマイナス側が端子のゴールド部分のようです。見た目からは普通はゴールドのほうがプラス側と思いますよね。。あぶないあぶない(笑)

パネルの穴あけをし部品を実装しました。

今回は単機能なので、配線も楽勝です。



さっそく使ってみました。
やっぱり、ケースに入れると断然使い勝手がよくなります。

下が今回のアンプで電源入り切り時のポップノイズはナッシング(^▽^)/
上のはcombo384ボードと組み合わせたES9038q2mのUSBDACです。

なんだか、本当にもうこれで良いんじゃない!?って思えてきました。

毎回、ハッとするような、いい音で鳴ってくれています。

さて、次はどうしましょうか?
兄弟ICに8406という型番のものがあり、そちらはどうやらAB級とD級の切り替えができるようです。ピン配置も同じで9ピンで切り替えできるようです。
余ってる基板にPAM8406載せて音を聴いてみようかな・・・・


11/14追記

入力に音量調整をつけなかったので何もつながない状態だと入力側がオープン状態になってしまいます。ノイズを拾いやすくなったりするし、気持ち悪いので12kΩを入力側につけてインピーダンスを低く設定しました。

カップリングコンデンサは2.2μFのメタライズドフィルムコンデンサがついていますが、並列に0.1μFと0.001μFのECHUを追加しました。


チップ部品を裏面にはんだ。芸術的な'いも'はんだ^^; 短絡等ないことを確認して・・・・・・


0.001μFって、1000pFだよねぇ。。。なんだかピンとこない。

以上

2020年11月8日日曜日

小出力デジタルアンプ(PAM8403)の音が意外に良かったので⑤

 PAM8403基板について

ちょっと解析,と改造をしてみました。

まず自分が手に入れた基板はAmazonで 2ケ組のもの


そして、10ケ組のもの


です。どちらもAmazonの画像では同じ基板のように見えましたが、微妙に違っていました。

左、10ケ組、右、2ケ組のものです。

チップコンデンサの大きさが違います。10ケ組で買ったほうは2012サイズ、2ケ組のはもう一回り小さい1608?。チップコンデンサを交換したりするのには大きいランドのほうがやりやすいと思います。

基板の解析

コンデンサは外して容量を測ってみました。
PVDDに1uFと10uFパラでパスコンが入っています。それも左右別々です。アナログ系のVDDには1uFのパスコン。ちゃんと別系統にそれぞれパスコンが入っているのは好感が持てます。別基板(ボリューム付きで高分子電解コンデンサ470uFが載っていたやつ)よりなんとなくノイズが少ないような気がしていましたが、こういう理由なのかもしれません。

さてさて、基板が無駄に多くあるので(全部で12枚(-_-;))いろいろ遊べそうです。ちょっと改造して、パスコンも手持ちのチップコンデンサに交換してみることにしました。


音質アップのための改造

先の実験用の基板では高域に若干の粗さがあったのですが、もしかしたらと思いコンデンサをちょっと良いものに交換してみることにしました。

ただし、カップリングコンデンサはさすがにこのサイズでフィルム系のチップコンデンサは持っていないので、外付けにすることにしました。
入力のカップリングコンデンサの1uFのところは5.1kΩの抵抗を追加してあります。これは、利得調整と使うフィルムコンデンサの容量が2.2uFなので低域周波数成分確保の意味もあります。

HPF:2.2uF,15.1kΩ ≒ 4.5Hz

PVDD2カ所は、オリジナルでは10uFと1uFだったところを、外部に10uFのタンタル電解をつける予定なので、基板上は4.7uFを基準として0.1uF,2700pF,56pFの小容量コンデンサをパラレルにしました。※定数は通電してみんべさんのサイトを参考にしました

VDDはオリジナルでは1uFだけでしたが、ここもPVDDと同じ構成にしました。(ランドがひとつなので上に積み重ねた)

また、基準電圧も大事だと思うのでVREFも1uFから4.7uFに増量してあります。ただし効果のほどは?でしたが・・・・

チップコンデンサはB特性のセラミックチップを使いましたが、できればC0G特性の音響に影響の少ないものを選ぶと良いと思います。

mute pin 5番ピンは4,5の間のパターンをカッターで切断してあります。これでフリーになった5番ピンからUAEでミュート用として取り出しました。


改造後の感想

高域がなめらかになりました。

いや、なったような気がします。。プラシーボかもしれませんが、シンバルの音がおとなしくなった気がします。うーん、シンバルの響きの余韻が耳に心地よく、アタック音では前よりも「なめっと」するような音になったというか。。。

定位はそのままです。やはり、電源をいれて最初の出音でハッとします。やっぱりなかなかできるやつだよ>PAM8403


にしても・・・・

いやぁ、まったく細かい作業です。。。ちょっと前まではこんなチップ部品を扱えるとは思っていませんでした。なので、なんとかリード部品をランドにはんだしていましたが。
慣れてくると、逆にチップ部品のほうがつけやすくなってきたり。。。
なんといっても小型にできますもんね。ユニバーサル基板に後付けでも目立たないし、あとから部品を足そうとしたときに、どこにも穴がない。。。なんて穴の数を気にしなくてよい。(笑)


2020年11月7日土曜日

小出力デジタルアンプ(PAM8403)の音が意外に良かったので④

前回でうまいことポップノイズの対策ができました。出力フィルターも付けました。
このアンプを常用メインアンプにする準備が整ってきたというものです。

へっ!?
こんな1枚100円もしないボードでちゃんとメインにできるのかよ?
そう、自分も最初は馬鹿にしていたんですけどねぇ。

実際に使ってみるとなかなか侮れないんです。前に作ったYDA138のデジタルアンプよりも、あきらかに定位がよく、なんというか高音域の雑味が少ない感じがします。

他に自作で比較するものとして、ぺるけさんの設計したミニワッターがありますが、それに迫る音質。。。定位という部分では超えているかも!

この基板、素質がありそうです。もう少し高音質化できそうなところは、、、と考えると。
電源部ですかね。

どうしましょうか。仮にもパワーアンプなので電流はそれなりに流れます。
あっているかどうかわかりませんが、もし出力3Wだとして5VのBTL接続ということは、

3/10=0.3A 効率が90%として0.3×1.1=0.33A 2chで0.66Aの容量が必要

これだけ流れるとなると、DACの電源に使った定電圧回路は使えないなぁ

ちょっと安直ですが、3端子レギュレータを使うことにするか。
レギュレータでも、なるべく性能(音質)の良いものを選びます。



これは、結構優れモノだと思います。800mAも流せて低雑音、出力コンデンサも2.2μFの小容量ですみます。それで、電源インピーダンスを低くとれる。
入力を6V程度にすれば放熱板もなしでいけそうです。
NJM2845 最近のお気に入りです。

実際に組むときは電源アダプタは、一般的な12Vのものを使いたいので、上流にもう一つ3端子レギュレータをいれて6Vまで落とす予定です。こちらの損失は0.66×6=3.96Wになるのでヒートシンクが必要でしょう。

自分の覚書として回路図をはっておきます。


が、、、まぁ普通の電源回路です。ほぼ、NJM2845の高性能に頼り切っています。

さて、いままで実験のために安易にブレッドボードに部品を載せて仮住まい状態だったのですが、どうにも毎回聞くたびにハッとするぐらい音が良いのです。
なので、ちゃんとユニバーサル基板に載せてケースに入れるというモチベーションが俄然上がってきました。

さてケーシングはどうしましょうか?
3Wしかないけど、、、パワーアンプ。。音量はDAC側で調節するのでボリュームレスでもいいかな。。。




2020年11月1日日曜日

小出力デジタルアンプ(PAM8403)の音が意外に良かったので③

ミュートピン制御で電源のON,OFFポップノイズを対処する

PAM8403にはミュートピン(5pin)とシャットダウンピン(12pin)があります。これらのピンは基板内で通常はVDDに直結されているようです。

ボリューム付きの基板



パターンカットでいければよいのですが、この基板の場合足上げしないとミュートピンをフリーにできませんでした。ここからリード線をはんだしてピンヘッダへとつなごうとしましたが、、、ちょっとくいって動かしただけで、足がポキッと折れてしまいました。失敗です。。。
せっかく足上げしたのに・・・・・・

ミュートの実験は別の基板を使ってすることになりました。。。。


なんと10枚も手に入れてしまいました。ほんとうは2枚ぐらいでいいのに・・・・
この基板の回路図をさがしてみました。
実際に外してコンデンサの容量を測りました。
  • 入力カップリング:1μF
  • VREF:1μF

※VREFと、カップリングは4.7μFに交換しました。
そのせいでポップノイズが出るまでのタイミングが遅くなりました。←なおさらポップノイズ対策が必要になりました(-_-;)
・・・が、カットオフが3Hz程度になり、VREFも安定するため、PAM8403の本領が発揮され高音質化されます。

パスコンもデジタル部とアナログ部でそれぞれに10μFと1μFがパラで入っています。小さくて安い割にはちゃんとした設計になっているようです。期待持てるなこれ(^▽^)/
それに、なによりも、ミュート5ピンとシャットダウン12ピンが簡単なパターカットでフリーにできる。←ここ大事!!
これでミュート5ピンをフリーにできます。足上げしていないのでポリウレタン銅線をはんだしても足が折れません!!
ブレッドボードに組んでミュート回路の実験をしてみます。


電源オン時のポップノイズ除去にはミュートピンを電源オン時には(L)にしておかなければなりません。そしてICの起動が終わった時点で(H)にしてミュート解除、電源オフ時にはポップノイズが出る前に(L)に戻さなければなりません。

ミュート回路

回路図の説明です。PAM8403のミュートピンを通常は2.2kΩでプルダウンしておいて(L)、電源を入れた後4秒後に約3.3Vにプルアップ(H)するというものです。やっとうまくいきました。電源オフ時には+6Vの端子にある程度電荷が残っていても発光ダイオードで電圧が早めにカットオフされます。これで電源オフ時のポップノイズも消せました。

最初はNE555を使って制御しようとしました。でも電源オフ時のポップノイズをなかなかうまく消せなくて頭を悩ませていました。

さて、ポップノイズも消せたことだし。次はさらなる高音質化に挑戦っ!!(笑)