2025年4月10日木曜日

TRX015PP 受信感度改善

 TRX015PP CWトランシーバ

送信に切り替わるときにプツッといった音が気になり、原因を探っていた。
送信時はサイドトーンを発生させて受信ボードの電源供給をカットしている。
この動作が切替時のポップノイズ(プツッノイズ)の原因かどうかを確かめるために電源供給を5Vレギュレータに直接つないでみた。

ポップノイズに変化はなく、受信ボードと関係ないこと、電源供給はカットしなくても動作に問題ないこと。がわかった。
それよりも驚いたのは感度の改善があったこと。微小信号時の受信音がきれいになったこと。である。

受信感度について

表示されている受信機のS値に必要なアンテナ入力は、改善前で-73dbmで改善後は-79dbmであった。
6dBの感度差である。Sで2目盛違う。こう書くとたいしたことないようだが、真数に直すと実に4倍の感度差である。

なぜ感度が改善されたか

ブレークインボードで送受信時の電源をコントロールしている。受信ボードは、受信時のみ電源が供給される仕様である。電源を制御することで前記事で記載したように電圧降下がある。ここが原因である。

さて、問題の電圧であるが、電源供給のON、OFFは2SC1815で行っておりエミッタ出力なのでVBE分の電圧降下がある。受信部分への供給は約4.1Vとなっていた。この部分に関しては回路の変更が必要だと感じていたが、TA7358のデータシートをみると3V供給での値が記載されていたので、4V程度あれば十分と思いそのままにしていた。

今回は、ポップノイズの調査をしていてたまたま発覚した事。

電圧について

4V供給での感度低下と歪の原因を推測するに、データシートではコイル負荷なのでほぼ電源電圧が6pinに供給される。しかし本回路でのDEPは抵抗負荷(680Ω)である。この部分で電圧降下が起きて必要十分な電圧が供給されていないのかもしれない。と考えてみた。

TA7368,6pin 3.02V

うーん微妙。一応3Vは超えている。TA7358は1.5V程度でもOSC発振し機能するような記述もあるので十分といえばそんな気もする。

ちなみに電源供給を5Vからにすると、

TA7358,6pin 4.11V

となった。データシートからは感度低下の証拠は見つけられなかったが、このICはそもそも振幅の増減での動作を想定していないので振幅の変化を復調するような用途では5V以上の電源電圧が必要であるということなのだろう。

※TA7358での振幅復調動作では5V以上の電圧が必要である。


1Vの違いでここまで差があると、今後電源電圧には気をつけよう。と思った次第。

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