2025年3月16日日曜日

TA7358,TTC015BプッシュプルCWトランシーバのケーシング

 トランシーバとしてケーシング



使うケースはタカチの200x150mmサイズである。

あらかじめ、同サイズのアルミシートの上に各ブロックを仮止めして実験していたのでそれをケースに移し替えるだけだのだが・・・・

いつものようにバラックでしばらくの間眺めていた。実際にケーシングしようと思ったときに一番悩んだのが、じつはスピーカーをどこに配置するかである。

丸型の50mmスピーカーでセリア100円の例のスピーカーを左前あたりに入れようと思っていた。しかし実際に配置してみたら、入らないのである。セリアのスピーカーはCWトーンを聞くには音圧感度がちょうどその辺が盛り上がっているのかとても都合が良かったので好んで使っていた。

これが使えないとなると・・・・内蔵はあきらめるかとも思ったがとりあえず手持ちにあった30x50mmの長方形スピーカを配置してみた。すると何とか右下あたりに収まりそうだ。

トランシーバの顔であるフロントパネルは

にした。電源スイッチはトグルが加工が簡単で良いのだが、今回は見た目を重視してロッカスイッチにした。その上にパイロット用のLEDを配置。電源の隣はキーヤーのスピードボリュームと3.5mmジャック。その隣はパイル時に周波数をずらして呼ぶためのRit。真ん中はVFO、そしてTune&StepのエンコーダとRFATT、右端がAFGainである。

リアパネルは


真ん中に電源入力、ANT端子はいつものBNC、そして外部SP端子(主にイヤホンを繋ぐことになると思う)のみというシンプルな配置である。

これらの位置決めは、パワーポイント互換のWPSオフィスでおこない、印刷した紙をケースに貼り付けて穴あけを行うスタイルだ。

この方法はなかなか良い。

フロント

リア

パネルに一通り穴を開けた。

各ユニット用を固定するための穴は、まず底面の位置決めシートにドリル位置をマーキングして、そこを穴あけする。


半固定状態で、ケーブルをなるべくきちんと配置して結線していく。

バラックの時よりかはだいぶすっきり配線できた。

実験用電源の電流制限を500mAにして、まずは受信機能から行う。


電流値は12Vで約75mAである。各基板への結線が間違っているとここで異常な電流が流れたりするので消費電流のチェックは必須である。ANT端子からS9(-73dBm)をいれて確認する。AFボリュームやアッテネッタ、エンコーダの挙動などひととおりチェックをする。

無事に機能している。配線違いは無いようだ。珍しい(笑)

ここまできたら、送信チェックにはいる。ANT端子に終端型電力計を繋いでチェックする。キーヤーの挙動や送信Ritの挙動も確認し異常がなかった。




2025年3月12日水曜日

Battery Checker

 電圧が下がったときにLED点灯

簡単な回路である。
通常は12Vで運用(3.7×3のLi電池)で充電があるときは12.5V程度になっている。
これが10Vを下回ったときにLEDが点灯するように半固定Volを調整


通常時(LED非点灯時)に消費電力を最小にするためにMOSFETを使った
基板の切れ端にチップ部品を使いコンパクトに作った

これでQRP移動運用時のバッテリ切れを簡単に知ることができる

2025年3月4日火曜日

Linux PC でKindle

 Linux PC でKindle

いろいろ説明するより、このページが良い。
全くこの通りにしたらLinuxマシン(ZorinOS)でKindleが読めるようになった。


ありがたい!!



Linuxでもがんばれば(Wine)Windowsアプリが使える。
かな・・・・

2025年2月28日金曜日

Si5351周波数校正

 Si5351周波数校正


受信用の周波数は10.7Mhz分高い周波数を出力させている。

7010kHzでのVFO出力は

8pf 0ppm 7010000+10693175=17703175 設定である。


しかし実測では17705790であった


ので 差分は+2615Hzだ。

そして・・・補正値を求めるために

(2615/17705790)x10^9

とすると

計算値は147691.800253となったのだが・・・

設定値はキリ良く148000とした。

7MHzでのずれが大体1kHzだったので計算すると

1/7000*10^9≒143000となり

先の計算結果とも概ね合致するので間違ってはいないだろう。

として周波数が下がった分をIFに+した


20693175+2615=10695790Hz


これで補正ができた。

2025年2月24日月曜日

QRP電力計用のATTを作る

 デジタル表示終端型RF電力計

というものが紹介されている。以前これを製作した。

1Wまでの電力をデジタルテスターで直読可能とするものだ。
数字が直読できるので便利だが、1Wまでと言っているだけあってそれ以上の電力を入れても正確な値は表示されないようだ。

自作では5W前後の出力をもつものを実験することが多い。入力部にATTを入れれば対応できる。10dBであれば1/10で直読できるだが、50Ω入出力だと抵抗値が半端で手持ちで用意できない。

どうしたものかと思っていたが6dBと4dBのものを作って合わせて10dBとすることを思いついた。6dBは耐電力1Wの抵抗を合わせて作る。4dBは6dB減衰させた後なので、普通の1/4W抵抗を組み合わせて作ることにした。
まず、6dBのものを作ります。

6dB ATT


近似値の
37.35Ωは27Ω+10Ω:37Ω
150.48Ωは75+75Ω:150Ω

抵抗はすべて1W規格を2本直列で使用。そこに並列に50Ωの負荷が乗るので、短時間であれば5Wいれても大丈夫。かな('◇')ゞ

蛇目基板に適当に貼り付けて

nanoVNAにてGainを確認

結果は


とりあえず100MHzまでみてみたが、無問題。

4dB ATT



23.85Ωは47//47Ω=23.5Ω
220.97Ωは220Ω

こちらは、5Wの−6dB(1/4)なので1W程度の入力となる。耐電力は大きくなくてもいけるので手持ちのチップ抵抗を使うことにした。1206(3.2x1.6mm)と大きめのサイズのもの。


問題なし。

6dB+4dB ATT


これも問題なし。
10dBのATTであれば、10倍すればそのまま直読できる。


先にTinySAで計測した1W出力の送信出力はこのように表示される。

これで、簡単正確に!?製作物のRF電力を測定できる。


2025年2月22日土曜日

エレキーをどうするか

 受信部にTA7358,送信部にTTC015B

を使ったトランシーバなのだが、大体形が決まってきた。

受信部のTA7358に混変調が多く、お空の調子が良いときはちょっと辛いものがあるが、それでも、送受信切替の入ったトランシーバとして組んだのは”お初”である。

現在はバラック状態だが、何れ何かしらのケースに入れられるよう、200x150mmのアルミ板の上に展開している。


そうなってくると、エレキー部分も内蔵したくなってくる。

k3ngというarduinoのエレキーを外付けで使ているがもっと小型なものがいい。

そう思ってネットを物色していると、こんなページがあった。

PICを使ったエレキーを作る: pockyの木工ライフ

arduinoではなくPICを使ったエレキーだ。機能は限定されるがなんといっても小型でめんどくさくなさそうだ。

組み込みとして使うのでGNDの分離はしない。のでフォトカプラではなく普通にトランジスタを使った出力回路とした。


簡単な回路なので、ブレボに組んで確認することなくいきなりユニバーサル基板に組んだ。



PIC(12F1822)を使っているので回路だけ載せても意味がないのだが・・・。
プログラムは先のpockeyさんのページからダウンロードしてありがたく使わせてもらっている。
※どうやらpockeyさんのものにもオリジナルがあるようだ。
jisaku_izumi の真ん中あたりに 小型CWエレキー で検索するとでてくる
https://www.cytec-kit.com/DL_Failes/rakuda/TU-Keyer%202011.lzh

こう書くとすんなり何事もなかったような感じだか、そんなことはない。嵌った。初歩的なところで(・・;)

まだPICの使い方を全く理解していないのである。MPLAB IPEを使ってなんとかかんとかHEXファイルを書き込めるようにはなってきたが、IDEの統合環境のほうはいまだLチカすらできていない。勉強が必要である。

勉強用参考ページ


2025/2/27追記

 原典となるCYTECエレキーではプルアップ抵抗が設置されていない。ソースをみると内部で弱プルアップしている模様。抵抗値に換算すると25kΩ程度。今回の構成でもブレボで確認を取ったところ、10kのプルアップはなくても動作した。おそらく初期設定で弱プルアップが設定されている模様。

2025年2月14日金曜日

C級電力増幅プッシュプル 入力電力と出力電力

 広帯域C級プッシュプル定数決定

入力電力を決めるため入力電力と出力電力の関係をみてみた

電源は12Vで使用した回路は次の通り(入力部にインピーダンス整合のため3dbのPad)


測定用信号源としてTinySAを使用した。が・・・素のままではー7dbmまでしか出力できないので、市販の広帯域アンプをいれた。これにより10dbmまでは任意の出力が得られるようにできた。

使用したアンプは次のもの


結果のグラフである


結果はー1dbm入力までは増加がみられたがそれ以降は頭打ちになっている。
この結果はLTSPICEシミュレーションでみた0dbm以上の入力でクリッピングが始まるという励振段の出力結果と矛盾しない。

-1dbm,199mv(*√2/2) 入力

3dbm,315mv(*√2/2)入力

電源電圧を上げればもう少し出力はとれそうではあるが、12Vでの運用とする

この結果より、Si5351からの出力は2MA設定(LowPass後で約1dBm)とすることにした

-500MHz 100kRBW
1-31MHz 10kRBW
7.00-7.04MHz 0.2kRBW



ユニットとしてユニバーサル基板に組んだ。




気持ちの問題かもしれないが安定度を高めるためにGNDに0.55mm線を使いかつ銅箔テープにてグランドを広くとることとした。
TTC015Bの放熱はケース直留とする予定なのでヒートシンクは仮付けである。

2025年2月8日土曜日

TTC015BによるC級電力増幅プッシュプル 広帯域版

 TTC015B C級PP 電力アンプ

広帯域アンプにできれば、周波数を変えた時コイルを交換せずとも対応できる。
今回は保証認定で7MHzと10MHzを通したい目論見もある。
ということでハムバンドコイルを使わずアンプする実験をしてみた。


ハムバンドコイルの代わりに使ったのはFB801-43(AL1350)トロイダルである。
ここの巻比を決めるために、回路のインピーダンスを算出した。

励振増幅出力インピーダンス
  • 2SC1815Y出力抵抗はIc20mAより545Ω
  • FB801巻線インピーダンスを出力抵抗の10倍とし6kΩに設定
  • 出力インピーダンスは並列545//6000だが≒545Ωとして計算
TTC015B入力インピーダンス
  • 出力時のIc730mAの上半分で365mA
  • hFE = 150
  • から入力抵抗は10.7Ωと計算される
  • Rb7.5Ωが直列に入っているので入力インピーダンスは直列10.7+7.5で18.2Ω
これよりFB801の巻数を求めると
  • 励振側の巻数は出力抵抗の10倍程度にするので6kΩで11turn
  • TTC015B側は18.2Ωなので励振出力545Ωで巻數比は√(545/18.2)=5.5
  • 11/5.5=2.0より11t:2t
  • プッシュプルなので11t:2t,2t(2x2のbifilar)としそれぞれの入力とした。

12VにてIc730mA程度35.81dBm 3.8W程度の出力が得られた。


プッシュプルなので偶数時の高調波は抑制されている。

2025年2月6日木曜日

TTC015BによるC級電力増幅 プッシュプル

 TTC015BによるC級プッシュプル


作例を探してみたがあまり参考にできるものはなかった

これらの回路を自分のわかる範囲で適当に切り貼りして検討したものが次の回路

※記事作成後安定マージンをとるためTTC015Bのベース抵抗4.7Ωを追加
 出力は3.5~3.9W程度になった。


いろいろ試した後の定数。12Vで4.2Wの出力があるので、ちゃんと合成されているようだ。


さてここから検算といきたいところだが・・・・・

C級プッシュプルでの入出力インピーダンスの考え方を教示しているサイトをみつけられず。。。なので、まったくの手探り状態。

とりあえず片側で考えることにした。

出力トランスはBN72のメガネコアを使った。メガネコアだとセンタータップがとりやすいという理由だけだが・・・・。

8tCenterTAP:8tとした。※コアのALは320程度だったので43材と近い。

シングルと同じように計算すると
P=4W,VCC=12V
Vce(sat)=0.4とすると
(12-0.4)^2/2x4=16.82Ω

ここで出力トランスのインピーダンスだが、C級なので半分づつしか使われないので、センタータップと2次側との巻線比で1対2となり出力側は4倍の67.28Ωとなると考えた。

はたしてあっているのだろうか?
ん~わからない('◇')ゞ

入力インピーダンスについてはもっとわからない。
TR=TTC015B
hFE=150
Ic=285mA
(C級PPでは2つ同時にONすることはないので570mA/2とした)

ここから計算すると(A級と同じ要領で計算)←すでに間違ってる?

hie = hFE × { RE + ( 26Ω ÷ IC ) }

hie=13.7Ω

入力部ではFB801 bifilarの中点からとっているので、全体では巻線比(2)よりインピーダンスは2^2=4となり13.7×4=54.6Ωとなる。

励起段はシングルと同じ定数なので、インピーダンスは630Ω、54.6Ωに整合させるには巻数比3.4になる。出力コイルをいろいろ変えてみたところFCZと同じ18:6(巻比3)のものが一番出力がとれたことからインピーダンスが整合しているとすると、計算結果と同じであったので考え方は合っているような気がしてきた。



TTC015BによるC級電力増幅

 C級電力増幅

送信機の電力増幅を考える場合、CWではリニアな増幅をしなくてもよいので、C級やE級増幅回路が使える。
先の送信機ではC級増幅を使いDDSのAD9850(200Ω10dBmOUT)で約2.5W(13.8V)を得ていた。10dBm→34dBmで24dBの電力利得であった。

今回も同じ回路を使って実験してみた。
信号源はSi5351であるので50Ω10dBmの出力とデータシートにあるが8MA出力設定でも途中にLPF(7素子損失ー1dB)やその他の損失があり実計測では7dBm(50Ω)であった。

実験回路
段間のコイルは20t:2tの自作コイルである。
出力コイルはT44-26(AL37)の黄色コアを沢山持っていたので7MHzで500Ω程度のインピーダンスになるように巻くと18tであった。+4turnはインピーダンス整合用である。
この回路で12V電源にて約2.1Wの出力を得た。



この時のTTC015Bのコレクタ電流は337mAであった。

さてTTC015Bの出力抵抗だが、電力Pをざっくりと2Wとして、以下のパラメータで計算すると・・・・

Vce(sat)=0.5
VCC=12V
(12-0.5)^2/2x2=33.5Ω

となる。これを50Ωに整合させるには
18turnの出力コイルに
(x/18)^2=50/33よりx=22
22turnなので4turnを追加しインピーダンスを持ち上げ整合させた。


次に段間のRFコイルの仕様だが、既製品のFCZコイルを使うのが一般的だと思うのだが、FCZコイルは手に入らないので、自分で巻いたコイルを使うことになる。
そうすると、巻線比は自分で決めることになる。まぁ、これが沼なわけだが・・・・

どうせ作るなら励起段の1815の出力インピーダンスと終段のTTC015Bの入力インピーダンスを求めて合うようにしたいところだ。

というわけで計算してみた。(あっているかどうかはわからない)
VCC(V)12
Ic(mA)18
Z(kΩ)0.66
RL(kΩ)11.4
RL//Z(Ω)630
RFコイルのQを50として求めた同調周波数でのR値を負荷抵抗RLとし、出力インピーダンスは並列として計算したところ、630Ωとなった。

終段の入力インピーダンスは
Ic(mA)337
hFE150
RE(Ω)0
Z(Ω)11.6 
∴コイルのインピーダンス比630:11.6から巻線比を算出すると、、、
7.4であり、巻数は18turn:2.4turnとなった。
半端な値なので、2turnか3turnとなるが、どちらを使っても同じような結果だった。
試しに、他の巻数でも試してみたが(FCZと同じ18:6など)あきらかに出力が低下したのでここまでの計算でもあながち間違いではなさそうだ。

今回タイトルにもしたが、このTTC015Bという素子、ひとつ20円のオーディオで使われるような石であるが、なかなかどうして使いやすいと感じている。

安定しているのである。ブレッドボードでの劣悪な環境でも、きちんと結果を出してくれている。

2SC2078や1971といった往年の石よりも、TTC015Bのほうが良い。


写真は、当初広帯域にしようと思い、インピーダンス変換をトロイダルで試しているところであるが、うまくいかなかった。今思えば、段間のインピーダンス変換にFB801のbifilarでやっていたのであきらかに不整合だったのだと思う。




2025年1月31日金曜日

TA7358とクリッピング

TA7358とクリッピング

有名な!?TA7358のクリッピングダイオードの話である。
TA7358を本来のFM系以外で、RF/MIXに使用した場合どのくらいの入力でクリッピングが起きるか計算してみた。

  • 利得 30db
  • Q値を50とした時のIFコイルのR 7400Ω
  • 6pin出力抵抗 100kΩ
※7400//100000≒6900を負荷値とした


より算出

ダイオードのVfが0.7VとするとGNDを基準に+0.7~ー0.7Vを超える電圧がクリップすることになる。1400mVp-pである。

とすると、おおよそ-44dbmあたりからクリップする計算になった。
S表示にすると S9+30dBといったところだろう。
このくらいならFT8や大電力SSBでも普通にありそうな気がする。

そしてクリッピングは波形の歪みなので、混変調の元になっているかも知れない。。

確認のためIF出力リンクコイル側の波形をみてみた

  • RF+MIX利得 30dB
  • 14t:2t 2t側にて測定
  • AGC OFF 
  • BPF あり
入力はいつものTinySAで7012kHzで-60dBm~-30dBmの範囲で入力した。

ANT入力-60dB

きれいなSineカーブにみえる

ANT入力-50dB

こちらもまだきれいなSineカーブにみえる

高調波をFFTにて確認しても
目立ったものはみあたらない


ANT入力-40dB

オシロでの波形はつぶれ等は見えずわからないが・・・・
FFTにすると
いままではなかった高調波がみえる
なので-40~-50dBm付近でなんらかの歪が発生し始めたということになる。
なのでその辺を探ってみる

ANT入力-42dB FFT



歪はじめは-42dBm程度のようだ

ANT入力-30dB FFT

あちこちに歪と思われる不要周波数がみられる
これのオシロ画面は
若干上下対象が崩れているようにもみえるがやはりはっきりしない。


結果的に

計算でのクリッピングは-44dBmだったので、おそらくクリッピングダイオードによる歪が推測される。
ということだろうか。