2021年2月4日木曜日

YDA138デジタルアンプの出力フィルタカスタマイズ

表題の通りなのですが、D級アンプの出力フィルタについてちょっと気になることがありまして。。。

それは・・・・・(以下はMC12でのシミュレーショングラフ)

 8Ω負荷

6Ω負荷

負荷が2Ω違っただけで、特性が違います。耳で聴いてもたぶんわからないとは思いますが。。。でも正直これにはびっくりしました。だって、普段使っているスピーカーは6Ωのものなのです。なのに売られているアンプのフィルタは標準で8Ω設定なのですから・・・・・

ゆえに、、、実は常にハイ落ちの状態で聴いていた。。。。。ことになります。

ということで、少し定数をいじってみることにしました。

22uH,0.47uF,0.1uFにしたときのシミュレーションです。Q値が上がってカットオフ付近の傾斜が強くなっています。20kHzあたりのおちは標準8Ω負荷のフィルタと同じぐらいになっています。

さて、定数を変更する前に、一度、素の状態で実測しておくことにします。比較の対象がわからないことには何とも評価しようもないというものです。

標準状態ではデータシートからみるとL=0.22uH,C1=0.22uF,C2=0.01uFとなっています。
これは、8Ω負荷を想定した時のものです。
この定数のままで6.8Ωのホーロー抵抗を負荷にした時の実測は以下のグラフの通りでした。
20kHzでは約1.6dbの減衰でした。やっぱりやや落ち気味でしょうか。。。。”YDA138がアナログライクな音がするのはこの辺のフィルタの落ちが関係しているかもしれない”との記事がネットにありました。アナログライク・・・たしかにその通りかもしれません。ただ私にはやっぱりぺるけさんのアンプと比べると少しだけ”カサカサ”気味に聴こえます。

それとは別に、ちょっと気になるのが100kHzあたりに盛り上がりがあること。普通なら素直に落ちていくところなのに暴れています。
(200kHz以上はフィルタで取り切れていない搬送波成分と思われます。実測で240mV程度でした。出力電圧をもっと高くして測定すればよかった。今回はアンプ出力を1kHz,1000mVとして測定したためこのようなグラフになりました)
インダクタを自作のものに変えても・・・・・
微妙にハイ落ちですが・・・傾向は変わりません。
原因はもっとほかの所にありそうなのですが・・・・わからないので、、そのままにしておきます。若干高域に癖があることとも関連が、なにか、あるのかなぁ?
でも100kHzなんてとてもじゃないけど感じないわけで・・・・

ちょっと脱線しました。では、フィルタの定数を変えて組んでみることにします。定数は上記のもので、自作インダクタは、前記事のもので巻き数を調整して容量を20μH程度まで落としたものを使いました。

赤がオリジナルで青が定数を調整したものです。自作インダクタの巻き数を変えながら-3dbラインがオリジナルと同様の40kHz付近になるようにしたところ、T44-26フェライトコアに0.55mmUAEの19回巻で、コンデンサはC1=0.47μF,C2=0.1μFとなりました。
この定数だと、先の100kHz付近の暴れはめだたなくなっています。Q値が上がり減衰比が大きくなったため、搬送波の残留も45mV程度に下がりました。あとは実際にどんな音になっているか試聴してみないとわからないところですね。

楽しみです。



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