2021年12月25日土曜日

いまさら~中波ラジオをつくる~ 覚書その他・トラッキング調整など

アンテナコイルとポリバリコン

  • バーアンテナのインダクタンスは600μH
  • バリコンは140pF,70pF程度

今回試してみて相性が良かった組み合わせは
どちらもせんごくネット通販より

EEHD-045Z   アンテナコイルコア  AM-88
3AKS-N7KN   ポリバリコン(二連) 2VC  CBM-223F-1F4

アンテナコイル(バーアンテナ)はフェライトコアが長めの感度がよさそうなものはなかなかみつかりませんでした。(ストレート用や小型のものはaitendoにそこそこありました)

ポリバリコンはaitendoのCBM223-150/70も買ってみました
しかし、ダイヤルを回したときに中のフィルムが上下したり音がする外れ品で、ダイヤルをまわしてもリニアに容量が変化しない不具合がありました

やぱしやすいのはダメなのかなぁ・・・とおもいつつも

aitendoにはTWF443DF-2CA:160pF,80pFという品種もあるようなので何か買うときについでに、こちらも試してみるつもり・・・

このバリコン、6石スーパーに使われていたバリコンと同じものだった。


調整

きちんと調整することでどんどん感度が良くなっていきます。中波ラジオを甘く見ていました。ちょっとびっくりです。逆に言えば無調整だと・・・・全くダメですね。ローカル局ですらやっとの感じになってしまいます。


IFT調整


ここは、買った時のままで動かしてなければほぼ調整はいらないらしい。。。
調整するなら、どこか放送局を受信した状態で最大感度になるように微調整する程度


受信範囲調整


  1. バリコンを受信する帯域の一番低い周波数あたりにあわせます
        ラジオ関西が558kHzなので550kHzにしました
  2. シグナルジェネレータで550kHzを出力します
        OSCコイル(赤)を動かして最大感度になるように調整
  3. バリコンを受信する帯域の一番高い周波数あたりにあわせます
        栃木放送が1530kHzなので1550kHzにしました
  4. バリコンのトリマを動かして最大感度になるように調整

1.~4.を数回繰り返す(最後はトリマ調整でおわる)


トラッキング調整



  1. 550kHzを受信してアンテナコイルの位置をずらしながら最大感度のところを探す
  2. 1150kHzを受信してバリコンのトリマを動かし最大感度の所を探す
    (1550kHzを受信してバリコンのトリマを動かし最大感度の所を探す)
1.~2を数回繰り返す(最後はトリマ調整でおわる)

IFTコイルについて

  1. IFTは7mm角と10mm角があり7mmは2.54mmピッチでユニバーサル基板にはまるがサトー電気にあるのみで他の所では見つけられなかった。

以下マルツで手に入る中波ラジオ用コイル

    1. 赤:局発


    2. 黄:1段目

    3. 白:2段目

    4. 黒:3段目:検波用なので2次コイルのインダクタンスが黄、白よりも多い

セラミックフィルタ

  1. こちらはaitendoで手に入れたセラミックフィルタ
    1. SFU455B
  2. 秋月にあったセラミックフィルタ
    1. LT455HU


    2. LTM455IW


秋月で手に入れた3.3VLDO レギュレータ

MCP1792/3

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-15728/
https://akizukidenshi.com/download/ds/microchip/mcp1792.pdf






LM2950G

3.3V 100mA LDO


今後仕上げるときのためにユニバーサル基板の作図

PasSの作図

OSC,IFTコイルの替わりにとりあえず大きさの同じくらいのクリスタル表記

秋月のC基板に全回路が余裕で入ってしまう。
あとは、どう仕上げるかですかね。。。

AGCの効き具合

LA1600の個体によって8pinの電圧が違う
  1. ブレッドボードに組んだ個体 :1238kHz 362mV,1323kHz 815mV
  2. ユニバーサル基板に組んだ個体:1238khz 499mV,1323kHz 844mV
1238kHzはギリギリ入感するレベル(Sメータほぼ振れない)
1323kHzはローカル局(Sメータ100%)

ユニバーサル基板に組む場合もあとから交換できるようにソケットにしておくとよいかもしれない

ボディエフェクト

アナログ回路で中波帯とは言え一応高周波を扱っているのでボディエフェクトはやっぱりそれなりにある。特にチューニングするときに局発周波数が動いてしまうと使い勝手が悪くなる。
今後、ケースに入れることを考えた時にどうしたら安定して受信できるかの施策をしておかなくてはならない。
効果があったのは、バリコンのステータ側の端子につながるところからアルミ箔を敷いたところにアーシングすること。これで、チューニング時のエフェクトはほぼなくなった。

緑色のクリップ線がそれ。

ケーシングするときの参考にしようとおもう。やっぱりベースにはアルミ板を使ったものにするのがよさそう。金属製のケースに入れてしまうと見栄えはいいけどバーアンテナまでシールドされてしまう、どう処理するかが悩ましいところ。




2021年12月23日木曜日

いまさら~中波ラジオをつくる~ 7.全回路図

これまでの実験の結果このような回路となりました。

全回路図



注意・前回の回路図のOSC2次側4番と6番の接続が逆でした

ブレッドボードに組んで試行錯誤したので、あちこち細かいところが変わっています。

電源は充電池x4なので約5Vです。ラジオICへの供給は3.3VのLDOで定電圧化しています。

周波数表示はMMBFJ211でバッファしaitendoのラジオ周波数表示器で表示させています。

Sメーターの代わりに500μAのVUメーターをチューニングを合わせるのに使っています。

セラミックフィルタはSFU455Bを2連にしてみました。どちらも10kHz帯域なのでそこは変わらないのですが、2連にすると若干混信具合が改善されます。(こちらではラジオ大阪を聴くときにローカルNHK局と9kHzしか離れておらず混信します、それが聞きやすくなるので効果があるようです)

ラジオICを使った簡単なものですが、感度と選択度がなかなか良いラジオになりました。

今はradikoがあれば全国の放送局が聴けます。が・・こうやって電波をとらえて聴いてみるのもなかなか良いものですねぇ。。。夜が長い今の時期、中波放送を楽しむにもおあつらえ向きの季節ですし。。

ひとつユニバーサル基板に組んでおこうかな。。。


2021年12月21日火曜日

いまさら~中波ラジオをつくる~ 6.Sメーターをつける

Sメーターをつける

LA1600のAGC電圧を利用してSメーターを動かします

実験した回路はこの二つです

1つ目は

バイポーラトランジスタにLA1600の6pinのAGC電圧を150kΩの抵抗を通してバイアスとして与えてラジケータを振らす回路

この回路でも良かったのですが、ある程度シグナルが強くないと振れてくれません。
HBCラジオだとこのぐらい振れてくれます、ただし弱い電波だとピクリともしません。

なので、なんとなくおもしろくないので・・・・・


次に

BJT(2SK303V3)を2つ使った差動回路を試してみることにしました。
R1,R2  1kΩ両端電圧  約1.5V≒1.5mA

この回路だとかなり弱い電波でも入感した時にラジケータが振れてくれます。
なので、感度は変わっていないはずなのに性能が良くなったような錯覚に陥りました。
ギリギリ入感するRAB青森放送でも、フェージングに同調して針が振れます。
土曜日の8時過ぎに聴いていたら、RINGOMUSUMEの出演する土曜はDONなる番組が聴こえてきた。津軽弁?のイントネーションが雰囲気を出してる(笑)

Sメータは本来特性やスケールをきちんとしなければいけないらしいのですが、今回はそこは適当です。。。
弱い電波の同調を確認する手段としてつかえればいいかなぁと。
あとは、あると見た目に楽しいということで


2022/1/4追加

Sメータ回路・Amazonで手に入るデジタル電圧計を使って

Sメータはアナログのほうが、見やすいし趣があってよいのですが・・・
手に入りづらくなっているし、スペースも結構使ってしまう

それで・・・・・

前にAmazonで手に入れた改造激安デジタル電圧計が使えないかと・・・

こういうやつ・・・・・
これなら小さいし安いので使い勝手が良いと思った。

こんな回路を考えてみた。
フルスケールを1.00V表示にして、地元のローカル局で100%表示にする


とにかく、チューニングするときにわかればよいって考えなので、まったく定量化はされていません。
あしからず・・・・・



いまさら~中波ラジオをつくる~ 5.受信周波数を表示

受信周波数の確認

まずはこんな方法で確認しました。


シグナルジェネレータの出力に適当なコイルを接続します。

バーアンテナと弱い結合にして大体あたりのつけた周波数を発振させます。
ゼロビートになったところの発振周波数を読めば受信放送局の周波数がわかります。

まぁこれでも一応受信周波数はわかるのですが、やっぱりリアルタイムで表示できないと何かと不便です。

ということで周波数を表示する方法を考えてみました。


  1. 局発をシグナルジェネレータから注入表示周波数から455kHzをひく
  2. 局発周波数をカウントする、そこから455kHzをひく

この2つの方法がありそうです。


まずは、LA1600の3番端子にシグナルジェネレータから信号を注入してみましたが、うまくいきませんでした。どこがいけないのかよくわかりません。

ということで2番の方法でいくことにしました。


受信周波数を表示

局発信号を取り出して周波数表示につかうことにしました。

しかし、局発から直にリード線をぶら下げてしまっては、浮遊容量等にて周波数が変動してしまって安定しないことが容易に想像できるので、ここはバッファを入れることにします。

秋月で取り扱いのある高周波用のJFETをさがしてみるとMMBFJ211(データシート)がみつかりました。IDSSが10mAほどもあるものなのでちょっと大飯ぐらいです。

回路図はソースフォロア

LA1600の3pinから87pFのカップリングで信号をもらいバッファとしました。
この定数でR2の電圧が約1.5Vなので電流は大体3mAというところでしょうか・・・

to ラジオカウンタと書かれているところにオシロをつないでみてみました。

出力にリード線がぶら下がっていても安定しています。
ちゃんと仕事をしているようですね。

出力電圧は300mV PP程度


さてさて、ここに何をつなぎましょうか?



検索していたらこんなものがみつかりました。

周波数カウンタモジュール


これ、実際につかってみました。設定で455kHzを減算して表示させることができたり、輝度を変えれたり、桁数もかえられたりしてなかなか高機能でした。

でも、電源電圧が7V以上なのです。単4電池4本でうごかせればなおよかった。あとは若干ノイズが多いかな・・・・さわったりするとラジオに雑音が入ります。


周波数表示器

そのままのネーミング・・・・
これは安い・・・
ラジオ用でおあつらえ向き、電源電圧も1.8V~3.3Vと電池駆動にぴったりです。

電源電圧が3.3Vが最大電圧なので、電池4本駆動だと電圧オーバーです。
どのみちLA1600への電源供給も安定化したいと思っていたのでLDOで3.3Vにしてこれらの電源としましょうか。

これ、良いです。ラジオ専用設計なので面倒がありません。そして小さく電圧も電池向き
しかも、900円ととてもリーズナブル。

実際に使ってみました



こんな感じで表示されます。専用ディスプレイと専用ICを使った小型基板で、はんだジャンパで設定する仕様です。AMの周波数表示とする場合は3つのジャンパはすべてオープンの設定となります。

気にいりました。。追加で頼んでおくことにします。

2021年12月20日月曜日

いまさら~中波ラジオをつくる~ 4.AFアンプ部分

AFアンプ

さてRF部分がブレッドボード上に載りました。クリスタルイヤホンから聴こえてくる音声にはなにか惹かれるものがありますが、、
やっぱりスピーカーで鳴らしたくなります。
そこで、何か使えるものはないかと・・・・みてみたのですが。
どうにも思いつかず・・・
ディスクリートで簡単に組んでみようかと思いました。

ということで、参考にしたのはこちら・・・・
トランジスタ3石でスピーカーを鳴らそうというもので、いわゆるSEPPですね。これをブレッドボードに組んでみました。
一応音は出ましたが、どうにも歪が・・・・
(私の実装に問題がありました)
部品を外していて気が付いたのですが、SEPPのPNPのところにNPNがささっている・・2SA1020だと思っていたトランジスタが2SC2120だったわけです。それはだめだ(笑)

もう全部外してしまったし・・・・どうしよう

そうだ。試しにPAM8403ボードの片チャンだけ使ってみよう、でもD級だからたぶんだめだろうなぁ、そうしたら8406に載せ替えてAB級動作にすれば・・・・

ということでやってみました。


案の定、8403だとプギャーっていう感じで、発振しまくりです。あたりまえですね。D級の搬送波がRF部にもどってぐるぐるですね。

ということで、ICを8406に載せ替えました。8403と8406はピンコンパチで、8403がついていた基板に載せるとAB級動作になります。

こちらはうまくいきました(と、この時は思った)




NJM386を使った回路に落ち着く・・・

NJM386・・・そういえば、部品箱にひとつだけあったなぁ

結局NJM386を使ったオーソドックスなものになりました。先のPAM8406でも良かったのですが、時々盛大に発振したり、HBCラジオの周波数あたりで微小な発振を起こしていたりと、使っているうちに不具合が発覚してきたためです。

微小な発振になぜ気がついたかというと・・・・HBCラジオにチューニングを合わせるとなぜだかビート音が聞こえるのです。1287kHzでちょうどゼロビートになる。
それで気がついたのです。LowPassFilterをいれるなど、いろいろいじってみましたが・・・・効果なし。試しに電圧を5Vから3.3Vにしてみると・・・止まりました。これでよいかとも思ったのですが、電源を入れたときのタイミングで、盛大に発振して起動しないことがあります。で、やっぱりだめということになりました。

PAM8406はうまくいったと思ったのになぁ・・・・


データシートの回路を参考にして、ブレッドボードに組み込みました。思ったより外付け部品が少なくて簡単です。それに異常発振も皆無。低い電圧でも使えて扱いやすいICですね。
一応、入力カップリングとZobelフィルタにはフィルムコンデンサを使いました。緑色のガムっぽいやつです。



いまさら~中波ラジオをつくる~ 3.LA1600を使った受信復調

LA1600

SANYOのラジオICだそうだ。とっくの昔にディスコンになっているらしいが、現在でも入手はそんなに難しくない。
aitendoにひとつ100円でありました。
ネットで検索すると作例がみつかります。そして、なかなか性能もあなどれないようです。もっと感度がよいものにLA1260というICもありますが、


こちらはAM,FMの複合ICだそうで、その中のAM部分を抜き出したのがLA1600だということらしいです。

LA1260はサトー電気さんにあるみたいですが通販方法がちょっと面倒なので、今回はaitendoのLA1600を使うことにしました。

回路図

※OSC接続正しくは4→6,6→4です 逆でした

9番ピンからAF出力があります。データシートでは0.015uFのコンデンサのみでしたが、回路図にはLowPassFilterを追加してあります。この辺はAFアンプをつけた時に回り込みなどが起きて微小発振が起きていたのでつけたものですが、AF部が安定動作すればいりません。

電源電圧は3Vとしてあります。ICそのものは5Vでも大丈夫です。
・最大電圧は9V、動作電圧は1.8~6.0Vとデータシートにあります。

IFTは黄、白、黒のうち白のものをつかいました。黄よりも白のほうが感度が良かった(コア無調整で)。ネットの作例をみると、黄を使っている人や白といろいろなので、黒以外ならどちらでもよいのかもしれません。

後につながるのが455kHzのセラミックフィルタ
でデータシートはSFU455Bとなります。
これにより帯域が決まります。10khzなので、もう少し帯域が狭いものを使ったほうがよいのかもしれません。(混信対策として)
ただ、ここをSFU455Bの2連にすると混信はそれなりに改善になりました。

ブレッドボードに組んで動作を確認してみました。

出力はクリスタルイヤホンを使っています。なんだかなつかしい音がします。そう昔ゲルマニウムラジオつくって聞いた時のような・・・・

1つ発見がありました。赤OSCコイルの1次側の抵抗の値を変えると、感度が変わります。
最初は100kΩを使っていましたが、ここの値を51k→22kと低くしていくと感度が上がります。同時にノイズレベルも上がるので、そこそこの47kΩとしてみました。
抵抗によって局発のレベルを調整すると感度が変わるからなのかもしれませんが、この辺のロジックは謎です(笑)

2021年12月18日土曜日

いまさら~中波ラジオをつくる~ 2.準備

準備

作るといっても、いきなりユニバーサル基板にくみ上げるのも、、、
アナログ回路なので、多分カットアンドトライの連続になりそうな予感がするので・・・
ブレッドボードに作ることにします。
そして、最初は簡単にできるラジオICを使ってみることにします。

主要部品の調達

アンテナコイル、バリコン、IFTの調達

色々調べていくうちに、バリコンやアンテナコイル(バーアンテナ)にストレート用やスーパー用があっていろんなバリエーションがあることがわかりました。

一般的には

バーアンテナ:600μH

せんごくネット通販:AM-88 

※アンテナコイルで検索かけたらでてきました

ポリバリコン:親子バリコン

aitendo:CBM223
140,70pF

https://www.aitendo.com/product/20322

せんごくネット通販:CBM223F-1F4
160,60pF
https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=3AKS-N7KN


などが使われるらしいです。あちこち探したのですが、ちょうどよい組み合わせなのかがよくわかりません。面倒になったのでkitの部品を使うことにしました。

https://www.aitendo.com/product/4120

これなら、マッチングされたアンテナコイル・バリコン・OSC・IFTがいっぺんに手に入ります。安価だし、ダイヤルつまみが入っているのも助かります・・・・

Kit付属アンテナコイル

1次側:690μH:コイルをずらすことによって600μHにできました

2次側:約10μH:

Kit付属ポリバリコン

いずれもトリマは最大の状態
1次側:157pF
2次側:74pF

Kit付属IFT

赤:OSC、白:IFT、黒:IFT がありました。残念ながら黄のIFTは付属されていませんでした。IF1段構成のkitのようです。



ブレッドボードに挿せるようにする

簡単に実験したいのでブレッドボードで組んでみることにします。

バリコン

aitendoにこんな基板がありました。

https://www.aitendo.com/product/20397


アンテナコイル

こちらも aitendo させるようにというかつなぎやすいようにするために

https://www.aitendo.com/product/19073


IFT

10mm角のものは手に入りやすいのですがブレッドボードにはそのままささりません

ユニバーサル基板を使ってなんとかすることにしました。


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参考にしたのは”電子うさぎ”さんのこのページ ラジオ実験セット

OSCとIFTコイルで結線が違うので注意・・・・

LA1600


素のままだと、ブレッドボードに挿したときにヘニャリそうなので細ピンヘッダで足を補強しました。