2025年1月1日水曜日

ラダー型クリスタルフィルタ

ラダー型水晶フィルタは安いが面倒

10.7MHzのクリスタルで4Poleラダーフィルタを構成した

このラダー型には次に示すシリアル型と他の作例によくあるパラレル型がある

この二つの違いは、一番はこれ
  • 入出力インピーダンス
    • パラレル=2xシリアル
インピーダンスマッチングの関係でどちらかを選ぶとよい。

で、値の決め方なのだが・・・・

バイブルとなっているマニュアル本では。。。


これに代入して値を確認してみる。


帯域を900Hzとしたとき、Cは495pF,インピーダンスは32Ω(パラレル),64Ω(シリアル)となった。実際はさきに作っていてCを470pFとした。

nanoVNA S21Gainにて確認すると



帯域は約800Hz,インピーダンスは33Ωとなった
グラフも一応ちゃんとしているようだ。しかし、これは適当に水晶を選んだのがたまたま良かっただけで、この後とても苦労することになる(-_-;)

これなら簡単と次に5poleのラダー型フィルタを構成してみた

水晶の選別が必要。水晶の発振周波数を確認して近いものを使うといいらしいのだが、発振器をつくり周波数カウンタで10Hz単位で読めるものを用意して・・・・
かなり面倒だ。そうだnanoVNAを使えばいいんじゃ!!

S11Phaseを計測して位相が変わるところが近いものを選んだ。


赤字のものである。誤差は100Hz程度になっている。(黄色のものは先の4poleで使った水晶。。。ばらばらだ💦)


散々な結果である。がっかりだ。損失が25dbもあったんじゃとても使えない。

いろいろ試行錯誤して、比較的選別しやすい方法があった。水晶個別にS21Gainを調べPeak周波数順にならべ通過損失が少ないものを使っていく方法。

S21GainでPeakをとりその時のGainとCenterを記録


ごちゃごちゃしているが、4poleのものと5poleのものを実験し色分けしてある。

3の特性である(接続はパラレル)

なんだかあまり芳しくないが、先ほどよりはまし・・・・でもつかえないな


損失は小さくなったが、やはり大きすぎる。

だがわかったことも多くあった。
  • 水晶個別にS21Gainを測定して損失の少ない個体で周波数が近いものを選ぶ
  • 簡単にラダーフィルタを構成できるのは4poleまで
  • ひとつの水晶あたり約3dbの減衰
  • シリアル接続とパラレル接続でのインピーダンスはシリアル≒パラレル/2


2025/1/7追記

7.2MHzの水晶を使って同じようにやってみた結果
実はこれ5poleの結果

簡単に!?作れてしまった。ではないか・・・('◇')ゞ
その原因は。。。

手持ちの水晶のS21GainのPeak周波数結果である
選別は40Hz/stepでの測定なので40Hzごとに分類されるわけだが・・・・
特性が良く揃っているのがわかる。
20個の水晶から5つの同じ周波数の組合せが2組とれた。
しかも損失も少ない。






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