2025年1月15日水曜日

TA7358CWのVFOをSi5351で構成してみる

 Si5351をVFOにする

自作・実験・Audio・Linux覚書: Si5351

TA7358 CWの回路VFOにAD9833を使ってきた。難点は発振周波数が高くできないので受信・送信周波数より低い周波数で出力することになる。するとスプリアスの抑制が困難になってきた。それに送信周波数を直接出力できないので送信にも周波数変換が必要になるため回路規模が大きくなってしまう。


送信系統比較


AD9833

AD9833VFO(3MHz)-周波数変換(TA7358)-Buffer(2SK241)-励起(2SC1815[ABT+10dbm])-電力増幅(TTC015B)-LPF-ANT
                                        | 10.7MHz局発

Si5351

Si5351VFO[+5.5dbm]-励起(2SC1815)-電力増幅(TTC015B)-LPF-ANT

Si5351の出力が最大で10dbm程度見込めるのでQRPならば2段増幅で十分そう。ということは回路や調整が楽になるということ。

というわけで、Si5351を使ってみることにしたわけだが・・・・どこのページをみても、どうしても面倒な設定が必要なことがわかる。DDSのように簡単にはいかないようである。

自作・実験・Audio・Linux覚書: Si5351を使った7MHz VFOの実験

では、JA2GQPさんのスケッチを使わせてもらった。今回もそれを改変してCLK0で受信VFOを、CLK1で直接送信周波数を出力できるようにしたい。


回路図


LCDは0.98インチの小型LCDパネル

PasSによる配線図



実装



Si5351はソケットにさしこみProMiniの上に配置させる。左下の4pinソケットは右から17MHz,7MHzのLPFを配置する。LPFを交換可能としたことで、今後の実験で他の周波数帯も実験できるようにした。

さて、Si5351のスケッチだが、arduinoには面倒な設定がいらないライブラリがある。これを使うと簡単にスプリアスの少ない組み合わせを自動的に設定してくれるようだ。

GitHub - etherkit/Si5351Arduino: Library for the Si5351 clock generator IC in the Arduino environment

すばらしい。。

それに、JA2GQPさんのスケッチが非常によくできていて読みやすいので助かった。受信用にCLK0を使い17MHzを出力させTX時にCLK1に7MHzを出力させるように改変した。

めずらしく、一発で思い通りに動かせた。自分用にスケッチファイルを貼っておくことにする。

https://drive.google.com/file/d/1Em5VaG_Ot9FjmdgrPUIFk0gaj6fmQSRU/view?usp=sharing

スケッチ改変点

  • 送信時と受信時に異なるLowPassフィルタを使うためにCLK1を増設した。CLK1は送信用VFO出力としTXがスイッチされた時だけ出力。CLK0は受信用VFO専用とした。(こちらはTXスイッチ時も出力)
  • Sメータの振れがよくない(AGC整流電圧が3.3Vまでいかない)のでAnalogRead値を、×4とし1023を超えるものを1023に制限した。
  • 周波数stepをエンコーダのプッシュスイッチで制御するので長押しで順方向、短押しで逆方向にstepするようにした。stepは50,500(Hz),5k(Hz)とした。
    ※フォントの変更が必要だが未実装なので表示はオリジナルの50,100,1kのまま。実装方法が理解できたら変更する。

LowPassフィルタ

CLK0受信用

設計値では22MHzあたりから下がるようにするつもりだったが・・・



どうもチップインダクタやコンデンサの誤差が大きいようで設計値よりも低いカットオフとなった。
受信用VFOのLowPassフィルタは損失が大きいが、TA5358へ入れる前に半固定抵抗で値をー12dBm程度に減衰させるため問題ない。

CLK1送信用



こちらは、チップインダクタとコンデンサの実容量を測定しその値でシミュレーションした。


結果。今度は大体設計値通りの結果となった。

CLK1出力をTinySAでみてみた



おおむねいい感じに出力されている。出力も5.5dbmあり、この後2段の増幅で使えそうな感触を得た。また、送信時にも受信用CLK0は出力されたままなのだが、受信音に変化はなく、送信周波数の飛び込み等の干渉はないようだ。






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