2021年4月25日日曜日

TDA7297アンプを作る Part6:定電圧回路

電源部の見直し

TDA7297をドライブするための2A程度の容量のある安定化電源を考え直すことにしました。

3端子レギュレータの7815シリーズの許容電流は通常1.5A以内です。これだと微妙にオーバーしてしまうことになるので、何か考えなければいけません。

安直に並列接続すればなんとかなるかなと思い、ネットを探したら、出力にダイオードを使って並列動作させる方法がありました。

面白そうなので、試してみることにします。

出力に使うダイオードは、TDA7297キットについてきたものを無駄なく使うことにしようと、スペックを調べてみました。最大2Aのもののようです。

VFは小電流だと0.7V程度、1Aを超えると1.0Vと大きくなります。つまり並列するNJM7815の出力電圧の差が最大0.3Vの範囲で協調しあえる可能性があるということと考えました。

でも、なるべく同じ出力電圧の7815を使いたいので、2(GND)に1N4007ダイオードを選別挿入して微調整しようと思います。まぁ、うまく3Aまでとはならずとも2A程度の容量は持たせたいなと思います。そんなに大音量で聴くことはないのですが・・・安心料といったところでしょうか。


そして、ここからが大事なところです。出力インピーダンスを下げるために、この後にもうひとつ定電圧回路を付け加えます。

NチャンネルパワーMOSFETとTL431を使ってLDO回路としてみます。

Gateをオンにするのに出力電圧よりも2V以上高い電圧が必要になりますが、これは先の3端子レギュレータより前の電圧を使います。

入力電圧と出力電圧の差が最大1.4V程度ですのでMOSFETの消費電力も少なくなり、出力抵抗も小さくなるはずです。これが音にどんな影響を与えるのか、楽しみですね!



こんな回路図になりました。

7815にて約4V程度のシリーズ電圧:1.5Aで4W
(パラレルにしているので理想的な状態なら2W×2の熱損)
MOSFETで約1.5Vのシリーズ電圧:1.5Aで2.25W

の熱損失となりますので、なにかしらの放熱が必須となります。ケースに直接放熱も考えましたが、今回使うケースは中身だけを入れ替えてほかの用途に今後使うかもしれないことを考えるとあまり穴はあけたくない・・・・ということで・・・・

L字のアルミバーを使うことにしました。ホームセンターで探したところ30x20x3mmのL字が1mの長さで売っていました。これを12cmの長さに切出して放熱板としました。

あまり放熱しそうにもない風貌ですが・・・・('◇')ゞ

3mmのねじをそのままつけられるようにタッピングします。

ここに電源部の7815とIRLR/U3410のパワーMOSFET。それにTDA7297がねじ止めされます。基板の固定も兼ねるという構造です。あとはこのフィンをケースに張り付ければ、それなりの放熱効果が期待できそうです。

電源部をユニバーサル基板で作っていきます。基板の大きさはC基板を半分にした大きさのものを使いました。

こんな感じではんだをしていきます。

線材は、大電流を扱うのですべてで0.55mmの鈴メッキ線をつかいました。なので、隣とのショートに気を付けながら組み上げていきます。

電子負荷で1.0Aを流したところ、出力電圧が13.18Vとなっています。無負荷だと13.74Vでしたので、0.56Vの電圧変動となります。ざっくり出力抵抗は0.56Ωといったところになると思われます。

アンプ基板も設置しました。これでお楽しみの試聴ができるようになりました。

さっそくスピーカーをつないで聴いてみました。

一聴して中音・ボーカル領域の透明さや柔らかさを感じます。アナログAB級というのが効いているのでしょう。良かった自分の好きな音です。

放熱版も、普段のリスニング音量では全然熱くなりません。わざわざ7815を並列にする必要もなかったかもしれませんね。


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