2024年5月21日火曜日

TDA1083ラジオICを使ったシングルスーパーCW受信機の実験 1

TDA1083

結局大昔のアナログICを使った受信機を組んでみることになった。やっぱり使う側の人間がアナログなので、デジタルはどうも好かん(笑)ということに・・・・

TDA1083こいつをつかってみようと思う。

シングルスーパーなので、簡易型で簡単に作れるのを目指してだ。

ネットでの製作例が多いのは断然LA1600で、MWラジオでも使用してみてなかなか良いのはわかっている。けれども、それをそのまま使うのもなんだかつまらないし。

ここは、TDA1083のAM部を使って組んでみようかと・・・・

データシートから


なんだか、印刷した紙からスキャンしたようなものしか出てこない。かなり古いICとのことだが、いまだに流通していてしかも同品種(オリジナルは東芝TA7613AP)がたくさんでていることからどうやら設計がよかったとの評判

まずは、実験のためブレッドボードで、IF以降の部分(RF以外)を組んでみた。

感度を計ったところ。黄色IF前にNanoVNAから注入 減衰の具合をみるために

セラミックフィルタ 455kHz    -64dbm
セラ多フィルタ 442.7kHz    -49dbm

調整がBestではなかったせいかセラ多フィルタのほうが約15dbも低かったことが判明。

ということで、セラ多フィルタの後に2SK241のアンプを入れたのだが、どうも安定しない。簡単に発振してしまう。しかたがないので、ここはとりあえずそのままにしてRF部まで組んでみることにした。



回路図です。

回路定数は手持ちの関係でいじりました。高周波のバイパスは0.022uFだったが、そこは0.01uFに、電源に近いバイパスコンデンサは0.047uFから0.1uFへ変更。そしてデータシートでセラミックフィルタの後にあった2.2kΩ負荷抵抗はセラ多フィルタの設計インピーダンスが50Ωらしいので、2.2k負荷では不整合。それで220Ωにしてみた。これは正解だった。2.2kでは若干発振気味になっていたのが220Ωでぴたりと安定した。

IFフィルタ部での損失を補うために、どうしようか考えていたところ、改めてブロックダイアグラムをみてみるとどうやらLA1600にはあるRF増幅段はないようだ。それで、簡単なRF増幅段を追加した。

こうやって回路を書きだすと、かなり複雑そうに見えるが・・・VFO,BFO,セラ多フィルタを除くととても部品点数が少ない。ICひとつで低周波増幅もこなし、十分な音量でスピーカまで鳴らせる。

ブレボなので回路変更は簡単だし。7MHz台ぐらいまでなら、なんとなく動作してくれるので、最近はまずブレボで組んでからというのが多くなって、しかもその先になかなか進まない。

手軽でそのままで交信に使えるので、ケーシングが億劫になってしまうのが玉に瑕。

ベンチ台の上にブレッドボードの状態。写真はBFOの信号をみているところ

今回は中間周波数に455kHz台を使用したが、このICはFM兼用IFなので10.7MHzでも使えそうな気がする。そうなるとクリスタルラダーフィルタを使った受信機も組めるかもしれない。あと試してみたいのはIFの2次側からAGC制御された中間周波出力がとれるので、ダイオードリング検波やSA612を使った検波ができそうなこと。とするとCWやSSBも本格的な受信機と同様の構成にできそうな気がする。

遊びの種はしばらく尽きないかな(笑)


外部VFOと内部VFOの切替(TDA1083CW受信機)

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